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そろそろ模試の結果がほしい



夏休みあれだけ勉強したのだからそろそろ模試で結果がほしいですよね。
結果、すなわち偏差値アップです。あれほど勉強したのだから偏差値10くらい上がると子ども達は思っているかもしれません。残念ながら偏差値は相対評価ですからそううまくはいきません。自分ががんばったとしても、みんなががんばったら偏差値はそのままです。
塾の言い訳のように思われるかもしれませんが、夏休み前の偏差値50と9月の偏差値50の中身の違いは分かっていただけますか? 

同じ偏差値でもその価値は違います。ですのでまずは親御さんがその価値の違いに気づいてほしいです。(子どもの努力を認めてあげましょう)

子ども達の様子を見ていると偏差値60以上の子ども達は、(きっと)全力でやっています。椅子取りゲームに例えると、空席を見つけるのはかなり難しいと言えます。

だからと言ってもう伸びないとあきらめる必要はありません。秋の勉強方法を間違わなければ、伸びしろは、あります。特に50前後の子どもたちはここから大きく順位が入れ替わります。あきらめなければ空席は必ず見つかります。

模試の必勝法 国語編

まずは、国語から。模試で結果を出すには国語の対策は重要です。その理由はたいていの模試、入試では国語は1科目目だからです。国語がうまくいけば残りの科目もうまくいく。国語を失敗すると次の科目にも影響を及ぼします。国語で失敗した生徒と話をするとたいていの場合、時間配分のミスです。よくあるミスです。

  1. 知識の問題で思い出せそうで思い出せなくて、時間を使ってしまった。

  2. 読解問題の一問目で時間を使ってしまって、二問目はろくに読めなかった。

以上のようなミスをしないように私は次のようにアドバイスしています。

  1. 知識については、反射で出てこなかったらあきらめる。深追いをしない。

  2. あらかじめ時間配分を決めてから試験に臨む。知識は10分、読解1問目に20分、2問目に20分、計50分とする。

種明かしをすると、模試の国語は時間が足らないように作られています。国語の入試問題のボリュームは文章題の文字数ではかるのですが、平均的な入試問題よりも模試の方が文字数が多いことがほとんどです。なぜならば、本番の入試よりも簡単な模試など存在意義がありませんから。模試というのはそういう設計なのです。

ですから、全問解こうとしない取捨選択の眼力やあきらめの良さも必要なのです。

また、読解問題もごていねいに□1番からやる必要はありません。自分だったら、設問数の多い問題から取り組みます。そのほうが得点できる可能性が高まりますから。物語文から解くとか論説文から解くなど文の種類で決めておいてもいいでしょう。

大切なことは、試験が始まる前にこう動くと決めておくことです。そうじゃないと「国語、始め!」の合図の後の周りの生徒の鉛筆の走る音にビビってフリーズしてしまうからです。試験が始まったら、大設問の数を数えてその上に20分、20分、10分など時間の割り当てを書いてみてはどうでしょうか。そうするだけでも安心するはずです。

国語は「日本語」だから何とかなるという考えは捨てるべきです。国語=語学ですから大人が英語を勉強する手順でやっていくと力がついていきます。

後期も漢字語句をやるべき

覚えていたと思っても時間がたつと忘れます。定期的に記憶のメンテナンスをしないとせっかく覚えたことを忘れてしまいます。よく出るところを集中的にやるのが効率がよいです。枝葉の知識は差がつきません。みんなができる漢字語句を間違えれば落ちます。一日数分漢字に触れましょう。

またインプットの作業は入試間際にやるものではありません。中学生、高校生の中間期末テストのように一夜漬けは効きません。入試間際にやるのはインプットではなくテスト形式ですばやくアウトプットする練習をすべきです。

できれば毎日、少なくとも2日に1度、文章に触れる。

高校野球しかり、練習でできないことは本番でできない。というのが入試のセオリーです。普段あまり文章に触れていないのに、模試の時だけ猛スピードで読めるということはありません。授業で扱った文章で構いません。1題5分程度で黙読をしてみましょう。また後期のテストはすべて大切にとっておきましょう。最近出版された本から出題されていますから入試にも出題される可能性は高いです。入試前に読み直しましょう。

私の塾の9月の模試で出題された「こまどりたちが歌うなら」の作者、寺地はるなさんは難関校では頻出です。2021年には「水を縫う」(海城、吉祥など)、2023年には「タイムマシンに乗れないぼくたち」(麻布、浦和明の星)が出題されています。

最後に、問題の指示をよく読む

聞かれたことに答えないと点数はもらえません。

  • カタカナで答えなさい。(ひらがな、漢字は×)

  • 正しいもの(正しくないもの)を選びなさい。

  • 抜き出しなさい。(自分で変えてはだめ)

  • 〇〇字以内で答えなさい。(20字~25字が一要素です。
    60字なら要素3つ、100字なら5つくらい)

模試の必勝法 算数編

計算のミスをなくす

算数編です。数日で急に問題が解けるようになるということはありません。しかし、偏差値を上げることはできます。テストの際の心構えを変えることです。

□1番の計算問題6題(または5題)のミスをなくすこと。これが、偏差値が上がる一番かんたんな方法です。私の教室の9月の模試、算数の□1番全問正解だった率は応用クラスで7割~4割、基礎クラスでは2割から数%という状況です。(6)の部分分数分解に戸惑った生徒が多かったようです。

テスト終了5分前にもう一度□1番の見直しをすると多くの生徒にとって点数アップ、偏差値アップするというわけです。

□1番についての注意点を箇条書きでまとめておきます。

  • 計算のスペース取りに注意。表紙にも計算はできる。

  • ミスの多い暗算はしない。ひっ算はかっこ悪くない。

  • 6年生は普段から小さめの字で計算する練習をはじめる。

  • (家での)計算は罫線のないノート。自由帳にするようにしてみる。
    理由はテストの余白は罫線がないので。

  • 四則混合、逆算は記号に番号を振る。習った通りに計算する

  • 単位換算は毎回出るので一度しっかり勉強しておく。

  • たし算、引き算のときは小数に、かけ算、わり算のときは分数にできないか考える。

  • よくでる計算は暗記しておく。(平方数、3.14の段、分数・小数の変換)

  • 分配法則を使えるかチェックをする。工夫できないか確認する。

  • 受験する年の西暦の素因数分解を覚えておく。

6年生 2025=3×3×3×3×5×5=45×45(平方数)
5年生 2026=2×1013
4年生 2027 素数
3年生 2028=2×2×3×13×13

西暦の素因数分解


聞かれたことに答えているか

なお、□2番については満点にこだわるのは危険です。正答率10%または一けたの地雷問題が隠れていることが多いからです。自分の経験上、角度の問題と規則性の問題は一見すると解けそうなので、はまらないように注意が必要です。(後回しにする)もうひとつ□2番での注意があるとしたら、聞かれたことに答えているかのチェックです。これは誰しも経験があるでしょう。

  • 過不足算で聞かれていないものを答えた。(ノートの冊数なのに人数を答えた)※出てきた数には単位を書いてミス回避!

  • 和差算で男子ではなく女子を答えた。※問題の男子に〇をつけてミス回避!

  • 速さで単位をミスって答えた。km、m 時速、秒速など。※問題文に線を引く、速さは広義の単位換算と心得るべし!

  • 小問を解き終わったらもう一度問題を読んで聞かれたことに答えたかチェックする。ここまでラスト5分でやろうとすると時間が足りません。見直しに頼るのではなく1回目でチェックできるようにしましょう。

後期も日々の計算と漢字をがんばってやりましょう。継続は力なりでスピードアップしていきます

最後の1問も5点、計算問題も5点。であればラスト5分は□1番の見直しをすべきです。

うまく誘導に乗る(前問利用)

偏差50前後であれば大設問の□3番以降は(1)を中心に解いていきましょう。問題によっては(1)と(2)の難易度に雲泥の差があります。問題文が長くていやになりそうな問題であっても(1)は誘導問題で、すぐ解ける場合があります。食わず嫌いはもったいないです。

(2)は(1)で求めたものを使って解くときがあります。(前問利用)(2)の解法が思い浮かばなかった時は(1)の答えや考え方が使えないか考えてみましょう。うまく誘導に乗るのです。

偏差60中盤から後半を狙う場合は、ほぼ捨て問はありません。正答率10%の問題であっても2問に1問は正解しないといけません。最後には、経験と野生の勘がものをいうときがあります。普段生徒には「勘はダメだ」と言っていますが本番ではありです。「もしかしたらこうかも」という勘で自分を信じて突き進んで解きましょう。ただし、ある程度進んでみて、「あっ違うな」と思ったら撤退する勇気も必要です。

テストで高得点をとる秘訣は、最後までファイティングポーズをとり続けること。あきらめないこと。止めの合図があるまで鉛筆をおかないことです。(逆に止めの合図のあとも鉛筆を持って字を書いていると不正行為とみなされ、本番の入試では退場させられます。)

模試の必勝法 理社編

定期的なメンテナンス

理社編です。暗記で大切なのは定期的なメンテナンスです。今は覚えていると思っていても時間がたつと忘れてしまいます。メンテナンスというのは忘れる前に(忘れかけたころに)もう一度チェックすることです。覚えていると油断しないで毎日15分程度で構いませんからメモチェ(6年生の夏に配付されるテキストです)を入試まで続けましょう。

合格完成語句、計算と漢字、メモチェ、これを9月以降、勉強をはじめるときに必ずやる。できれば朝やることをおすすめします。いわゆる朝勉です。続けていくとどんどんスピードアップします。このとき気を付けたいのが、単語カードやまとめノート作りに時間をかける自己満足の勉強にならないようにすることです。

子どもが単語カード作っているときは現実逃避している可能性が高いです。必ず書いて覚えるようにし、残された貴重な時間をインプットの時間に今は使うべきでしょう。冬休み近くになるとあれもやらなきゃこれもやらなきゃとあせり、落ち着いて暗記の作業はできなくなります。時間がないときは親子で、口頭のやりとり(問題を出す)をしてもよいでしょう。ただしバトルにならないように気を付けてください。忘れているのが当たり前、忘れているのがわかってよかったねの気持ちでやりましょう。

時事問題に注意

子ども達の成績を毎年見ているとこの時期は時事の弱さを感じます。総理大臣やアメリカの大統領の名前と顔など答えられるようにしておきましょう。今年は変わるので要注意です。

私の塾の9月の模試は「お金の歴史」でした。今年は新札が発行された年ですから。出題が予想されます。お札の人名はすべて漢字で書けるようにしておきましょう。今回の問題もいい問題なのでとっておいて入試間際にもう一度やりましょう。ちなみに正答率を紹介しておくと、渋沢栄一54.9%、津田梅子86.1%、北里柴三郎32.7%、福沢諭吉38.1%でした。

世界遺産なども狙われやすいです。三内丸山遺跡、石見銀山、富岡製糸場、平泉、法隆寺など。

1年前で恐縮ですが2023年入試で頻出だった語句も共有しておきます。

頻出語句のランキングです。
1位 菅原道真 9校、
2位 北条政子 6校 
3位 足利義満 5校、後醍醐天皇、聖武天皇、対馬、徳川吉宗、北条時宗  9位 石見銀山 4校、織田信長、関東大震災、行基、津田梅子、徳川家光、日米修好通商条約、卑弥呼、紫式部

銀本(2023年過去問)

受験学年以外の皆さんも小学生新聞や小学生向けのニュース雑誌などに定期的に目を通し、世の中のことに関心を持ちましょう。新聞はたまりやすいので月刊誌の方が気軽に読めると思います。TVのニュースでもいいのですが、情報量は文字の方が多いと思うので、文字で読む方をおすすめします。(ジュニアエラや月刊NEWSがわかるなど)



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