IKTT(クメール伝統織物研究所)~カンボジア~
当時24歳、入社半年で集団リストラを受け、精神的にダメージを受けていた頃、
とあるサイトの記事で仕事に対する姿勢に非常に共感し、会いたい人ができた。
IKTT(クメール伝統織物研究所)代表
森本 喜久男氏
である。
バイトで渡航費用を稼ぎ、ボランティア団体に混ぜてもらい、会いに行った。
日本のように時間に縛られることがなく、その日暮らしで十分な雰囲気を持つカンボジアは非常に心地が良かった。
近くに学校があり、体育学科出身だった私は持ってきたハンドボールで子供たちと毎日サッカーをしていた。
ある日、森本氏から
”伝統は守るものではなく、自分たちで作るものなんだよ”と言われた。
言われた瞬間、身体の芯に響き、頭の中の曇りが晴れた感覚があった。
これを俺は誰かに言われたかったんだと悟った。
固く握手を交わし、日本へ帰国した。
帰国して1年後、東京で本の出版イベントをするとのことで、
転職先での仕事を終え、福岡から東京へ渡った。
本を受け取り、サインを書いてもらった。
サイン本を受け取り、握手を交わすと驚いて、一言。
”君と以前、握手をしたこの手の感覚はしっかりと覚えていたよ。”
”わざわざ来てくれてありがとう。”
心が充実した気がした。
その後、森本氏の悲報を受け、会えなくなってしまったが、
あの言葉のおかげでエンジニアとして再起し、何事にも挑戦的になったといっても過言ではない。
ボランティアで伺って以来、IKTTへは行けていないが、
”もう一度行きたい”と最近思っている。
現地へ行き、
現地の子供と遊び、
同時のことを思い出すことで、自分は何を思うか。
今度は成長した姿を森本さんに見せられそうだ。
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