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ポルトガルの文化と歴史をお腹から楽しむ  ー 馬田草織さんとその著作

歳を重ねるのも悪くないもので、いい作家さんと出会い、その作品を通じて勝手に親近感を感じたり、自分の中で歴史を積み重ねたりする楽しみがあります。私にとってのそんな思い出の作家のひとりが馬田草織さんです。

2012年、私は初めてポルトガルを訪れ、仕事でポルトとリスボンに滞在し、そのあとアルブフェイラで休暇を過ごしました。そして2016年には再び仕事でリスボンへ。このときは2週間ほど一箇所の滞在で、冬だったのでビーチという感じでもなく、もっと食を探求したいと思い、ポルトガルの食文化について書かれた本を探しました。そして、馬田草織さんの『ようこそポルトガル食堂へ』の文庫版と出会いました。

ページをめくるたびに、ポルトガル各地の料理があまりにもおいしそうで、すぐに「食べたいものリスト」と「食べ物のポルトガル語リスト」を作成しました。コンパクトで旅にぴったりの『ようこそポルトガル食堂へ』とリストを片手に、ポルトガル料理を存分に堪能したのでした。

アレンテージョ地方のにんにくとコリアンダーのスープ
地元の食堂で堪能した海鮮
亀の手のような貝、ペルセベス。おいしかったですよ!

そして今年、また半分仕事、半分休暇で、家族とともにポルトガルを訪れることになりました。ドイツからは3時間弱のフライトで、気軽に行けるのがありがたいです。ドイツの冬を抜け出して、久しぶりにポルトガルの光と空気に包まれるのが楽しみです。

そんなタイミングで、「馬田さんの新刊はないかな?」とAmazonをチェックしてみると、2019年に『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』が出版されていて、さらに電子版がキャンペーン価格になっていました。これはもう買うしかない!早速購入し、ページをめくるたびに「おいしそう!おいしそう!」と連発しながら一気に読み終わりました。

さらに、もう一冊気になっているのが『ポルトガルのごはんとおつまみ』。これはどちらかというと、自宅に戻って、作るためのレシピ本という感じですが、道中に読むべく購入しました ☺️ 

あとは、2024年に『ホルモン大航海時代』というエッセイも出版されていて、「ポルトガルのホルモン料理の話かな?」と思いきや、人生のエッセイともちろん料理。Amazonの説明によると・・・

人はみな、ホルモン大航海時代をゆく小舟のようなもの。思春期はホルモンの嵐の往路を、更年期はその復路の嵐を進む。そして進みながら戸惑う。婚期とは?結婚とは?離婚とは?母とは?娘とは?老いとは?

ポルトガル料理研究家で文筆家の著者が人生の大海原で奮闘するあなたに届けたい、毎日を機嫌よく過ごすためのエッセイと、ほぼ一人前レシピ23品。

「人は誰かの示したお手本やレシピ通りになんて生きられない」だから日々のごはんこそ、我儘に作るのだ。

Amazon.jpの『ホルモン大航海時代』の商品紹介より

私自身結婚して離婚して、女の子がいて、母で、歳も取っていっていて・・・めちゃくちゃ読みたい!のですが、まだ電子版が出ていなくて読めず 😢 電子版の出版が待たれます。

馬田さんの本は、単なるグルメガイド、旅行ガイドではなく、文化や歴史も交えて読み物としても楽しめるところに魅力があります。今からポルトガル行き・・・というかポルトガル料理が楽しみで仕方ありません ☺️

こんなふうに、10年ほど前に出会った本やその次作が、今も旅の楽しみを広げてくれるのは本当にうれしいです。食を通じて国を旅する楽しみ、食べることでその土地の文化を知る喜びを馬田草織さんの本は実感させてくれます。

さて、今回のポルトガル旅ではどんな味と出会えるでしょう。普段はベジタリアンですが、滞在中のホテルの朝ご飯はヴィーガン寄りで楽しみつつ、地元の食堂ではポルトガルの食文化に触れるために、お肉やお魚を少しだけ解禁しようかなと考えています。食べ物を通じて文化を感じることも大切にしたいからです。

今回の旅の「食べたいものリスト」も順調に伸びていっていて、ポルトガルのおいしいものを巡る旅を楽しめそうです。この旅が、また新しい味や出会いを運んできてくれますように!

日本からはちょっとアクセスしにくいヨーロッパの西の橋のポルトガルですが、ご飯を楽しみにポルトガルを訪れるという人には、馬田さんの本をおすすめします。

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