【第2話】地獄への切符
こんにちは、堀北晃生です。
▼前回の更新はこちら
学歴もない、コネもない、お金もない。
そんな自分にできる仕事は、この仕事しかありませんでした。
毎日数百件飛び込みでセールスをして、1人話を聞いてくれればいいほう。
その中で、数名の人が商品を買ってくれて、その売上の一部が報酬としてもらえる過酷な仕事でした。
私は、セールスの本の魅力を最大限引き出すため、上司と先輩にそのやり方を見てもらい、アドバイスをもらおうとしました。
しかし、上司と先輩は私のいないところでそれをネタにして笑いを取るような人間でした。
信じていた人から裏切られた悲しさは言葉では表現ができません。
そこで、独学で学び実践で経験を積むことを決意しました。
「たった一人でも自分で這い上がるしかない」
選択肢はこれしかありません。
そこでひたすらその本に書いてあることを実践し、成功事例と失敗事例をノートに書き留めました。
ノートは汚い手で書き留めているため、縁は汚れていました。
カンタンな漢字すら書けないため、ひらがなとカタカナの小学生のノートのようなものでした。
その結果・・・
最初はうまくできませんでした。
やってもやっても売れなかったため、一時は本の内容を疑ったことがあります。
しかし、ひたすら狂ったようにセールスを実践しました。
上司や先輩、仕事の仲間からも軽蔑の目で見られてもひたすらやり続けました。
最初は1件2件しか売れませんでした。
しかし、なんとそのお客さんが、お客さんを紹介してくれたのです。
そして、私のことを気に入ってくれたのか、紹介してくれたお客さんがどんどん私のことを紹介してくれたのです。
田舎訛りの19歳の少年が必死になっている姿を見て、何が光るものを感じたのかもしれません。
こうして、紹介の連鎖は止まることなく続くようになりました。
このお客様の紹介の連鎖のおかげで奇跡が起こりました。
それは営業所対抗のセールスキャンペーンで、私たちの営業所がダントツナンバーワンになったのです。
その理由は、私のお客さんが紹介してくれて、私の営業成績が過去最高の売上を記録したからです。
そして会社の本部から直接連絡がありました。
「あなたを表彰したい」
私は、約2万人くらいいるセールスマンの中で、なんとナンバーワンのトップセールスマンになることができました。
当時は23歳。
全国大会で私のような人間が、大きな壇上に立って表彰状をもらえる日が来るとは想像もしていませんでした。
壇上からスポットライトを浴び、割れんばかりの拍手喝采をもらったときには、生まれた初めて生きている実感をしました。
「初めて人に認められた」
そんな嬉しさでいっぱいになりました。
普通であれば大学を卒業して、入社式を終えて、仕事を学んでいる頃。
私は、一つの仕事を軌道に乗せることができるようになりました。
23歳の当時の年収は、父親がもらっていた年収を超えました。
「やっと、まともに生活できるようになったか。。」
しかし、両親との関係性は変わらず悪化・・・。
年収は同年代の人より稼げるようになったものの、将来に対する不安は変わりませんでした。
「将来はどうなるんだろう?」
「もしケガをして働けなくなったら収入はあるのか?」
「生活が支払えず破産したらどうしよう?」
そんなネガティブな思考が繰り返され、眠れない日々を送りました。
そこで、収入を複数にしようと考えていたところ、たまたま目にした広告が・・・、
「はじめての株式投資で資産を作るセミナー」
というものを見つけました。
私は労働収入以外に投資での収入を作ろうと思い、投資セミナーに参加しました。
「投資でお金が増えたらもっとスゴイことになるのではないか?」
そんな安易な気持ちで投資をはじめました。
この投資セミナーに参加することによって、人生が劇的に変化するとは当時思っもいませんでした。
死ぬかもしれないほどの悲劇がこの時、すでにスタートしていたかもしれません。
「神様、もし時間を取り戻せるのなら、この日に戻してもらいたい。」
そう祈りたい気持ちでいっぱいです。
続く・・・。
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
次回予告
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
若い時の苦労や挫折は、これから始まる悲劇に比べれば、なんてことはない。
地獄に突き進む無謀な私を笑ってください。
追伸:
当時のことを思い出すたびに、心臓の鼓動が早くなります。
脳の記憶から忘れたかった、過去の悲劇を思い出すのは勇気がいりますね。
▼続きはこちら