でき太くん三澤のひとりごと その76
◇ 応用・発展問題ができるための条件 ◇
今回は応用・発展問題ができるようになるためのポイントについて書いてみたいと思います。
以前、海外(アメリカ)ででき太くんの会員だったお子さんがいました。
今はすでに成人して社会で活躍していることと思います。
海外にいると、日本語補習校の課題、現地校の宿題などがあり、国内のお子さんよりも学習量が多くなります。
それでもそのお子さんは、いつか日本に戻った際に他のお子さんとの学力差がないように、過密なスケジュールの中でも小学校低学年の頃からコツコツとでき太の学習を継続していました。
その努力もあって、小学6年生終了時には中学2年生前期の内容まで終了することができていました。
淡々と継続することは、本当にすごいことだと思います。
中学2年生の前期ころには、中学3年生の内容を終了していました。
低学年時からのスタートで、ここまで終了できるということは、でき太の学習をかなり優先していたことが伺えます。
一般的には、中学3年生の内容が終了していれば、次は高校数学へと学習を進めていくことになります。
ただこのお子さんのご家庭では、帰国時に日本でずっと教育を受けていたお子さんと遜色のない本物の実力を中学数学レベルにおいて身につけることを目標とされていましたので、先を急がず、じっくり中学数学を安定させるプログラムを組みました。
そのプログラムはどういうプログラムかといいますと、中学数学の学び直しです。
中学1年生最初の単元の正負の数の概念から、再度すべての単元の学び直しです。弱点部分や、習得までに時間がかかった単元のみの学び直しではなく、スラスラとできたものも含めてすべて学び直しです。
普通こういうプログラムを組むと、たいていご父兄から、
「なぜですか?」
「できているものも学び直す必要があるのですか?」
という質問がきます。
実はここに「落とし穴」があります。
「知っている」ということと、「できる!」ということは別次元です。
正負の数概念であっても、20問を5分でできるお子さんと、同じ問題を15分でできるお子さんとでは、その実力にかなりの差があります。
前者が「できる!」というレベルに到達したお子さんで、後者が「知っている」というレベルのお子さんです。
大抵、1度学習しただけでは「知っている」という次元である場合が多いものです。数週間もすると記憶が薄れ、100点だったテストでも、80点しかとれないということがあります。
いわゆる応用・発展問題で思うような結果がでないお子さんは、「知っている」というレベルの単元が多く、「できる!」というレベルに到達した単元が少ないのです。
応用・発展問題は複数の基本がからみあったものですので、その基本において「知っている」という段階では、応用・発展問題を解決する糸口を見つけることができないのです。
話をもとにもどしますと、その海外のお子さんの学び直しは、比較的短期間で終了しました。
1度学習した内容ということもあり、中学3年生終了前に、中学数学全体系の学び直しを終えました。2度目の学び直しでは、でき太のテストではほぼ100点、悪くても95点以上でした。実に安定していました。
ちょうどそのころだったでしょうか。
そのお子さんは、アメリカの現地のお子さんも含む実力テストのようなものを受け、数学では州で1番の成績をおさめました。
これは私どもの実績を自慢したいわけではなく、「できる!」という単元が複数集まるとゆるぎない実力が身に付くということです。
中学数学体系を2度も学習すると、学習した内容が深く、しっかりと定着するのです。
ここまで定着すると、応用・発展問題の構図がはっきりと見えるようになってきますから、この段階で高校受験などで扱われる難度の高い問題を消化していくと、面白いように問題が解けるようになります。これがさらに自信につながり、応用・発展問題をあきらめずに考えるねばりやひらめきが浮かぶようになるのです。
応用・発展問題ができるための条件。
各単元のテストレベルの問題で「うーんと、、、」、「えーと、、、」、「なんだっけ、、、」と考えているような段階ではダメ。
問題を見た瞬間に解法手順が頭に浮かび、あとはそれを筆記するだけという状態を目指すこと。
この状態にする簡単な方法は、徹底した復習です。(時間に余裕があれば学び直しです)
でき太の単元テストは、各単元の「まとめ」的な要素がありますので、復習には最適です。
学習材がお手元に届いたら、テストのみ複数部コピーしておくことをおすすめします。間隔をあけながら、最低3回はテストを使って復習してみましょう。