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【会いに行く、そして撮る】#3 最強の行動力をもつ友人

シリーズ第3段です!

今回、会いに行ったのは愛知の渥美半島で農家として冠婚葬祭のお花、トマト、メロンを作っている石井さんです。
石井さんとの出会いはもう十数年前、私が学生の時でした。石井さんは当時、東京で役者をしていました。その頃から情熱や行動力がすごい人だなという印象を持っていました。しかしそんな彼がある日突然、役者を辞めて実家の渥美半島に戻ることに。家業の農家を継ぐためとのことでした。しかし、石井さんの情熱と行動力がパワーを本領発揮したのは渥美に戻ってからでした。

渥美半島に戻った石井さんは「田舎の暮らしがつまらない」と何か情熱を注げるものがないかと行動にでます。そして、海に素潜りで入り、貝を拾ったり、モリで魚を突いて捕まえることに楽しさを覚えていったそうです。

それだけでも私からしたら、めちゃくちゃすごいなと思っていたのですが、しばらくしたら石井さん、、、なんと!!
船舶免許を取得し、船を買ってました笑
更にその1年後くらいには、、、、もっと大きい船になっていました笑

船でブイブイ言わせてた当時の石井さん

これだと決めたら突っ走る。その行動力は本当にすごいです。
素潜りで魚や貝を捕るって言葉では簡単に言っていますけど、場合によっては命の危険もありますし、決して甘いものではありません。それでも高みを求めて船舶免許とって、船まで買っているんですからね。エネルギーの塊みたいな人です。

でもね、話はここで終わらないんですよ。。。(笑)

なんと、石井さんの情熱は獲ってきた魚や貝をどう美味しく食べるかにシフトしていきます。

しばらくしたら、石井さん、、、寿司を握るようになっていました。

私のイメージとしては、寿司なんて弟子入りして、何年も修行してやっと握れるようになるもんだと思っていたんですよ。桁違いの情熱、探究心、そして行動力を持っている石井さんは寿司を研究し続けて、どんどんかたちにしていきます。

気がついたら石井さん、地元では美味しい寿司を振る舞ってくれるとファンの人まで出来ていました。更に!なんとテレビにまで出ることに。

もうね。なんとうか、形容できる言葉が私の語彙力では出てきません。本当にすごい。

そんな石井さんを見て、
「情熱と行動力から得た圧倒的経験値があれば、才能なんて関係ないんだな」って思いました。

そこから生まれた私の座右の銘 
「圧倒的経験値>才能」
は未だにずっと私の中にあります。
(この話は長くなりすぎるので、別の機会にNoteに書こうと思っています。)

色々と長くなってしまいましたが、そんな自分の価値観さえ変えてしまった石井さんに会いに行ってきました。

まずはランチに行きました。
相変わらず元気そう!!


そのあとは喫茶店へ行き、ゆっくりお話を。

情熱と行動力の石井さん、話は尽きません
話している途中でお気に入りのウィンナーコーヒーが届きます。
嬉しそう笑
なのに一口も飲まずに話が続きます笑
話が止まりません。
話が止まら、、、、いや、コーヒー。。。。
とあるタイミングでガッ!と全部飲んでしまいました。そしてまたすぐ語りだすwwww

そんな感じで深い話がゆっくりできました!嬉しい言葉も沢山頂けたし、とても励まされました。

喫茶店を後にして、石井さんの作業場の一つへ

ワンちゃんもいます。かわいい。
石井家の農業のメインは冠婚葬祭のお花とトマトです
作業する石井さん
話しながらも作業する手は止めません
花の茎を切って
花の状態をチェック
目が真剣
作業してる石井さんはいつも真剣
愛を込めて育てられた花は綺麗ですね

花の出荷作業が終わり、その後はトマトのビニールハウスへ

赤くなりはじめていました

実は冒頭に話をしたお寿司への情熱。実はその後、さらに新たな方向へ進んでいったのです。それがエアルームと言われる特別なトマトでした。

エアルーム(Heirloom)とは「家宝」を意味し、欧米で先祖代々、受け継がれてきた伝統的な品種らしいです。色も形も味も個性豊かですが、育てるのがとても難しいとのこと。多くの農家が挑戦しては諦めるような品種ですが、ここでも石井さんは情熱と行動力を発揮します。数年をかけて栽培の安定化に成功させました。

トマトの事を教えてくれつつ、
奥のエアルームトマトの栽培エリアへ
エアルームトマト。 色も形もすごいですよね。見た目通り、実はしっかりしたトマトなんですが、
味は見た目とは逆です。とても優しくて繊細な味をしています。

相変わらずの情熱と行動力。そのパワーを石井さんから改めて感じて、自分も頑張っていこうと思わせてくれました。

ここまでの写真は2月に会いに行って撮っった写真です。この日はここでお別れとなったのですが、「メロンの収穫の時にまた来てよ!」と言ってくれました。

そう。実は石井さんの情熱は尽きません!!!!
今度はトマトからメロンへシフトしていたんです笑
そして、メロンの収穫直前にまた石井さんに会いに行きました。


石井さんが作っているメロンは「古田(こだ)メロン」と言われるもの。品種改良されていない純系のメロンで”糖度バクダン”と言われるほど甘く、香り高いメロンです。栽培の難しさから誰もが作るのを諦めたメロンなんですが、石井さんが40年ぶりに復活させたそうです。

とても甘くて香りの高いメロン。でも栽培がめちゃくちゃ難しい。でもそこがなんというか、、、石井さんにピッタリとすら思ってしまいました。

そのメロンの収穫直前のビニールハウスへ

立派に育っていました。
古田メロンは底の部分からだめになるので、毎日こうやって下からみて確認するとのこと
メロンを
語りだしたら止まりませんw

石井さんが古田メロンを作り始めて5年目。やっと納得の行くものを安定生産させることができたそうです。

どうやってメロンに水分や甘さを凝縮させるのか。その研究や苦労は凄まじいものがあったそうです。水や肥料などは沢山与えるタイミングと逆に減らすタイミングがあるそうで、その適正なタイミングや水の量はとてもシビアらしいです。

研究を重ねて導き出したやり方は気温、日射量、与えた水の量すべてをグラフにしてデータ化する方法でした。毎日記録をとる。そこから逆算して水や肥料の量をきめる。地道な作業の積み重ねが成功のカギだったそうです。

匂いから状態をチェック
研究を重ねてやっとできた古田メロン
だめになってしまった子たちもいます

メロンにこめた思い、情熱。相変わらず、凄まじいものがありました。そう。「すごい」ではなく、「凄まじい」のほうが言葉として適切だなと思います。

そんな石井さんの古田メロン。写真からも見てとれると思いますが、小ぶりなんです。でも持ってみると、想像よりずっしりと重いんです。それだけ水分と栄養が凝縮されているとのこと。

食べてみると、めちゃくちゃ甘くて美味しかったです。でも美味しさの感動は甘さよりもその香りの高さからきました。上品な香り高さから私は「メロンはウリ科の果実なんだな」と改めて思いました。それくらいしっかりとした上品な香りが口に広がります。更に!その香りが中心の部分だけでなく、外側までずっと続くんです。水分と栄養を凝縮しているからこそ、外側まで美味しいのだそうです。


石井さんが作る、魂のこもった古田メロン。残念ながら今年の分はすでに売り切れてしまいましたが、興味のある人は是非来年にでも食べてみてください。「古田メロン」で検索するとでてくると思います。


「じゃあ元気でな!しっかり頑張れよ!」と言いながら去っていく石井さん。そういうところも男らしい!

また会いに行きますねー!!!

★撮影に使った機材★
<カメラ1>
FUJIFILM X-T5
<レンズ>
SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

〈カメラ2〉
CANON EOS R6
〈レンズ〉
RF14-35 F4

Noteには載せていない写真も一杯あるので、よければインスタグラムのフォローもお願いします!https://www.instagram.com/akio_mae

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前島聡夫/空飛ぶ写真家
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