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生産性向上プロジェクトの進め方

こんにちは、ランサーズの多胡(@Akino1004)です。
ランサーズでは、2022/3期に生産性向上に向けて委員会を立ち上げ、全社プロジェクトとして推進してきました。その結果、コストの効率化・付加価値向上の意識が社内でより浸透し、2023年度の4Qの黒字化を達成し、さらに2024年度の黒字化事業計画立案に繋げることができました。

上記内容をご紹介しているランサーズ2023年3月期通期決算説明資料についてはこちらをご覧ください。

そこで本日は、ランサーズがどのように全社の生産性向上に取り組んできたかについて書きたいと思います。


生産性とは?

当時、社内において生産性課題は随所にあり、何からやるか、どう進めるか、の目線をまず揃えるところから開始しました。その際に参考にさせていただいたのが、伊賀泰代さん著書の「生産性」という本であり、本書では生産性向上について、コスト削減に焦点が当たりがちですが同時に付加価値アップが必要なこと、またそのやり方は革新的な手法・改善レベルの手法の組み合わせがあると説明されており、こちらの枠組みを意識して生産性向上に向けた検討をスタートしました。

伊賀泰代『生産性』をもとに筆者作成


どのように生産性向上を進めていったか?

では実際にどのように生産性を高めていったかというと、以下のプロセスを回していきました。
❶推進体制を決める
❷目標を決める
❸アクションを決め、実行する
❹モニタリングする
❺改善する

❶推進体制を決める
まず「生産性」について、重要な経営イシューと定義し、誰がオーナーとなってどういう枠組み(例:委員会)で進めるかを決定します。その後オーナーを中心として、幅広い生産性課題におけるゴールとスコープを決定し、ステップを刻んで対応していきました。

❷目標を決める
新しい取り組みのため、それでどれだけ効果を出すことができるか当初は未知数であったものの、利益貢献金額の目標を「えいや」で決め、それを1年追っていきました。全社だけの目標だと自分ごと化しづらいので、月別/部門別に落とし込むことで各自が目標を常に意識できる状態にしました。

アクションを決め・実行する
言葉のとおり、各部それぞれ目標達成にむけたアクションを決めていきます。全社⇔自部門を行き来し、コスト削減/付加価値アップができる領域がないかについて議論をし、アクションプランを策定します。アクション決めの一部として、全社にアンケートを取り課題を把握したり、業務をすべて棚卸をしたりしました。後者についてはこの業務をやめるためにはどうすればいいのか?など部門横断で知恵を出し合いました。

業務棚卸のイメージ

❹モニタリングする
アクションを決めた進捗について、軌道に乗るまでは毎週モニタリングをしておりました。目標に対してアイディアがどれぐらいあって、取り組んでいるものがどれぐらいなのか、というのをwklyで進捗管理をし、進捗できていない場合どういうサポートや意思決定があれば推進するのかなど、各部の責任者から共有してもらい委員会の中で検討をしてきました。

※モニタリングイメージ


❺改善する
これらのアクション決め→実行→モニタリング→課題共有→改善策検討を繰り返す中で、日々生産性向上に向けた動きをアップデートしていきました。


生産性向上を推進する上でのポイントは?

この取り組みをし生産性向上について成果を創出できた背景として、上述したプロセスで触れたように以下3つの要因があると考えています。

  • 経営重要イシューと定義して推進体制を構築
    全社アジェンダと位置づけ、部門横断で委員会を設計することで、花火的な企画で終わらず1年を通して活動を推進することができました

  • えいや!でもいいので目標の設定
    目標という「制限」があることによって、どうしたらそれが達成できるのか、知恵を絞りやすくなります。そのため、その時点では不明確でも目標を設定したことが、各人の行動の明確化に繋がりました

  • 徹底的な進捗の可視化
    効果があったことだけではなく、それに至るアイディアや取り組みがwklyでどれだけ前進しているか、などを可視化することで、活動量が担保され、また横断組織の中ででサポートしやすくなりました


今後について

ランサーズは、生産性向上に向けた取り組みの第1年目として、コスト削減や付加価値の向上に注力してきました。これまでの取り組みに加え、今後は生成AIなどの技術を活用することで、企業運営の効率化がさらに進むことが予想されています。そのため、ランサーズでも今年はテクノロジーと掛け合わせることで本領域に継続的に取り組んでいく予定です。

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