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何度も同じことでつまづくのは進歩がないからなのか?


公園のベンチに腰掛けたアキラは、冬の冷たい空気に吐息を白く染めながらぽつりとつぶやいた。

「なんだか、また同じことで悩んでる気がするんだよなぁ……」

隣で缶コーヒーを飲んでいたサクラが顔を上げる。

「同じことで悩むって、例えばどんな?」

「毎年のことだけど、仕事のこととか、自分が何をしたいのかとか、家庭のこととかさ。気がつけばまた似たような迷いにぶつかってるんだよね。進歩がないなぁって思うよ。」

サクラは缶を置き、真剣な表情でアキラを見つめた。

「ねえ、アキラ。それ、本当に進歩がないって言えるのかな?」

「え?」

「私ね、昔『人生は問題集みたいなもの』って教わったことがあるの。その人の人生には、その人にしか解けない課題があって、問題が起こるのはそこに向き合う必要があるからなんだって。」

「問題集か……。確かに、人生ってそんな感じかも。」

「でもね、その時に言われたの。『同じような問題が繰り返し出てくるのは、その課題がまだ完全に克服されていないから』なんだって。」

アキラは少し肩を落とした。

「じゃあ、やっぱり俺、克服できてないから同じことでつまづくのかな……」

サクラは微笑んで首を振る。

「それが違うんだよ。克服できてないっていうよりも、それだけその課題がアキラにとって『重要』だからだと思うの。」

「重要?」

「そう。その課題がきっと、アキラの人生にとって大切なテーマなんだよ。一回で答えが出ないのは当然だし、むしろ何度も向き合うからこそ、少しずつ成長していけるんじゃない?」

アキラはしばらく黙り込んだあと、ふっと小さく笑った。

「そうかもしれないな……。毎回、同じことに悩むたびに『進歩がない』って思ってたけど、実は俺なりに成長してたのかな。」

「そうだと思うよ。だって今こうやって気づけたじゃん。たぶん、アキラは去年よりも少し視野が広がったり、考え方が柔らかくなったりしてるはず。」

「そう言われると、ちょっと気が楽になるなぁ。ありがとう、サクラ。」

「どういたしまして。つまづくことは悪いことじゃないよ。そのたびに考え直して、立ち止まって、自分の大切なものに気づくチャンスでもあるんだから。」

アキラは冷たくなった缶コーヒーを握り直し、遠くの空を見上げた。

「次につまづいた時も、少しずつ成長してる自分を信じてみるよ。」

サクラも同じように空を見上げ、力強く頷いた。




はい、今日はちょっとした小説風ですね

『人生は1冊の問題集のようなもの。』

というのは、私が子供の頃に教わったことのある言葉です

時々、自分はまた同じようなことで悩んでいるとか
同じような問題が起きているなと感じることはありませんか

この、同じような問題が繰り返し現れるのは、その人にとってそれが大きな課題であり、向き合うべきテーマだから。悩むたびに成長し、深みのある人生を築くチャンスと考えれば、何度でも立ち向かえるはずです。

あなたもつまづいた時、何度も同じ問題につまづいているとき
それは決して進歩がないのではなく、少しずつ成長していく自分に気づくチャンスでもあります

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きらどん
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