医学は答えを教えてくれない(体験談)
”ひばり”がうちに来てもうすぐ5年。生後2ヶ月に満たなかった暴れん坊の子犬は、今ではすっかり落ち着いて、頼れる相棒に成長した。たまに柴犬と間違われるが、ひばりは正真正銘の雑種犬として、由緒正しくない野良あがりとして、うちで飼ってきた歴代4頭の雑種犬たちと同じく、日々多くのサプライズをもたらしてくれている。こんなにも良い犬を保護し、譲ってくれた動物愛護団体には、ただただ敬意と感謝しかない。
5歳のひばりは今、知力体力ともに充実の絶頂にある。犬の友だちも大変に多く、老若男女、大型小型、純血雑種を問わず、たくさんの仲間に囲まれて、原っぱや水辺や砂浜や、周辺の山々を走り回って暮らしている。まさに今、脂の乗った時期にある。そんな充実した日々の裏側で、しかしこの夏、ひばりは一つの決断を迫られていた。正確には、ひばりが、ではなく、飼い主が迫られていたわけだが、いずれにせよ5歳ごろまでには決めなければいけない事案があったのだ。
不妊手術をしたのだけれど・・・
ひばりは生後6ヶ月の時に不妊手術をしている。手術をすることは愛護団体との約束であり、過去に飼った4頭のメス犬もすべて手術をしていたので、手術自体には何も抵抗はなかった。1度目のヒート(生理)が来る前に手術を終えられたことは、将来的な病気の予防や術後の回復の早さにもつながり、避妊効果以上に得るものがあった……と、その時は考えた。日帰り手術で犬への負担も少なく、他の4頭の時よりも手術創も小さく綺麗だった。麻酔が切れてきた頃に若干痛がったことを除けば、極めて順調に回復し抜糸の日を迎えることができた。
ところが、である。手術から半年を過ぎた頃に、1度目のヒートがきたのである。
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