大学院のこと(5) (留学・進学体験談)
久しぶりに「アカデミア」の世界に戻り、違和感だらけの中でスタートした大学院生活。香港大学の修士課程での体験をご紹介するシリーズ「大学院のこと(1)(2)(3)(4)」の続き。
先生たちのほとんどは「ベテラン」と呼ばれる元ジャーナリストだったが、言い換えればそれは、引退後のじいちゃんばあちゃんたちの再就職先と化した大学院の現状を表していた。取材も編集も配信も、それ以上に報道の意味や概念そのものがデジタル化によって一変しつつあったその最中に、20世紀型のアナログな手法を変えようとしない、また大学院というレベルに全く相応しくない教育方法を改善しようとしない先生たちに、私は強い苛立ちを覚えた。
というのが前回(4)の話である。
本編では一旦先生たちの問題から離れ、学生たちに焦点を当てたい。なぜなら大学院では不正入学(不正卒業)が常態化しており、名門と言われる大学の修士課程でありながら、入学前には全く想像もしていなかった光景を目の当たりにすることとなったからである。
自分が学部生なのか院生なのかも分からない学生
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