鹿の部位ごとの特徴とオススメの食べ方(1)
鹿肉をほとんど食べたことがない友人・知人に肉を配ると、たいていは「どうやって食べたらいいの?」と聞かれます。気持ちはよく分かりますし、「こうやって食べたらいいよ」と一発回答できればいいのですが、実際に返答しようとすると、いつも「どこから説明しようか・・」と、途方に暮れてしまいます。というのも、鹿肉をどうやって食べるかは、それはもう部位ごとに全然違っているわけで、一言、二言で説明できるようなものではないからです。
ほとんどの場合、肉を受け取る側の頭の中には「鹿の肉」とか「ジビエ」くらいのざっくりとした認識しかなく、そもそも鹿にもいろんな部位があって、それぞれに特徴がある、という前提で話が通らなかったりします。例えば鶏肉だったら、ほとんどの人は一目見れば、それが胸肉か、もも肉か、ささみか、手羽元かが分かるはずですし、それぞれの部位の特徴を前提として調理方法を説明(または話し合う)ことができます。それが鹿肉だとできない・・。
これまではお肉を配る度に、「えっと今回は、もも肉と内ロースと、ランプっていうお尻の部分の肉を入れておいたんだけど、内ロースは柔らかい反面弾力がないから、料理にするなら〜」のように、ダラダラとまとまりのない説明をした結果、ポイントが上手く伝わっていなかったり、相手もこちらが何を言っているのか飲み込めず「ふ〜ん、そうなんだ・・・??」のような曖昧な反応が返ってきたりして、最後には「この前もらった肉、とりあえず全部ぶっ込んでカレーにしました!」のような結末を迎えることも多々ありました。
そういったジレンマを解消するべく、今回は「鹿の部位ごとの特徴とオススメの食べ方」を整理し、リスト化しておくことにします。
* 内もも、外もも
特徴:どちらも肉質がよく、ほどほどに弾力もあり、大きな塊が取れるため、使い勝手に優れた万能の部位です。ロースと並んでとても人気があります。
食べ方:煮ても焼いても、どんな風に調理しても美味しく食べられる肉ですが、肉の大きさと赤身の良さが生きる食べ方がオススメです。例えば、ローストヴェニソン。肉のサイズを生かせることに加え、もも肉の肉質の良さを生かした加熱度合い(半生状態)を楽しむことができます。
他にも、ケバブや鹿肉串、サイコロステーキ、鹿蒸し肉の味噌がけなど、肉のサイズと肉質の良さが求められる料理には最適です。
注意点:内もも、外ももは、時々蒸れ肉になっていたり、個体や季節によっても肉質が不安定になることがあります。そんな場合は、よく煮込んでシチューにしてしまうか、スライスして鍋に入れたりするなど、肉質をごまかしつつも肉のサイズを生かすような食べ方がオススメです。
また、外ももの両サイドには大きな筋がついているので、調理前に必ず取り除いてください。(うちでお配りしている肉は、取り終えているものが多いですが・・)
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