東京で農園をはじめることを決意するまでの話
会社員生活を離れて1年半。
あいたい人に会いに行き、よみたい本を読み、いきたい場所に行ってみる。興味を持った仕事、おもしろそうな仕事はとりあえず見に行く、やってみる。
そんな、ぜいたくな時間を過ごしてきました。
自分の価値観に向き合い、迷走して、落ち込んで、また浮き上がって・・・できること、やりたいことをさがした末、たどり着いたのは「農」というフィールドでした。
もともと、農家育ちで、大学も農関係。
新卒で入った就職先も農業分野の会社。
自分のこれまでの軌跡を振り返ると、青い鳥の童話のように「戻ってきた」感じです。
なぜ農に「戻ってきた」のかというと、この1年半の間にいろいろな人に会いにいって、場所に出向いて、農にはひとが生きるために必要な「感動」が詰まっているということに気付けたから。
畑で目にする、空、雲、野菜のうつくしさ。
一粒のタネが育ち、実をつけ、100倍以上のタネになる驚き。
土のにおいと手触りが与えてくれる心地よさ。
そして、からだを使った労働のたしかさと気持ちよさ。
農を通して感じるこれらの感動は、ただ食べ物を生産して提供するだけではない、もっと広くて深い価値があって、それには多くの人を救うポテンシャルがある。そんな確証を今、持つことができています。
目指すのは、
ひとがひとらしく、
子どもが子どもらしく、
素のままに、働けて、遊べて、感動できる場所を提供すること。
東京という場所で、農というフィールドで、そんなことにチャレンジしたい。
その思いをここに決意表明をさせてもらうことにしました。
とはいえ、農地が限られる東京での農業参入には、たくさんの高くて厳しい壁があって、本気で参入しようと思うと、それはもう「おおごと」なのだそうです(とある行政担当者にいただいた声)。
この「おおごと」をどんな風に進めていけるのか、
これから少しずつ、お伝えしていきたいと思います。