突然マッチョ
2023/09/17(日)
きらめく元気のなさはコロナのせいだと思いたい。
何か意味のあることをしようと、なんとか『鵼の碑』を読了する。
レギュラーキャラが序盤から登場し、「去年の例の事件で痛い目を見た」みたいな、過去作にふれる台詞や文章もちりばめられていて、一見、17年ぶりの新作にふさわしいサービス精神満点の作品である。しかし、これはかなり前衛的で尖った作りの小説という気もする。京極先生が「僕の小説ってトリックもストーリーもないんです」とよくおっしゃる、それをもう一段階具現化したような……
ともかく、この複雑な物語を一気呵成に書き上げる神がかり的な筆力にはもはや脱ぐ帽子もない。頭の皮を脱いで頭蓋骨を剥き出しにするしかない。
そして帯で次回作『幽谷響(やまびこ)の家』が告知された。
私、妖怪は詳しくないんですけど……そもそも、やまびこってどういう妖怪なのか? ゲゲゲの鬼太郎に呼子(よぶこ)という名前で、一本足のかわいらしいやつは出てきますが、なんとなく、また「いない」妖怪っぽくないですか? 山彦って単なる音の反響だし……。どういう事件で幽谷響が表現されるのか。今度はあまり待たずに読めたら嬉しい。
2023/09/18(月)
終日、用事。
先週キャンセルした分のしわよせが来てしばらく忙しくなりそう。
人間、弱っているときって、変なことを引き寄せるもので、なかなか疲れる1日だった。
少し前にコロナに罹った人と話して「汗をかきやすい、身体が熱くなりやすい」と言うのに「私も!」となる。気のせいじゃなかった。
多汗が今後も続くと、生活が少し不便になる。治まるといいのだけど。
2023/09/19(火)
ひさしぶりにスープカレーを食べる。おいしいと思える。味覚に障りがないのはありがたい。
やりたくないけど、やらなきゃいけない作業があり、とてもやりたくない、という状態で夜を過ごしている(原稿とは別のことです)
気が塞ぐ。解消するにはやるしかないんだけど、やりたくない。
こういうときに自分の感情や肉体の状態を切り離して、必要だからやるという機械のような境地に自分を持っていきたいと考えているんだけど、どうしたらいいんだろう。
作家はある日、突然マッチョな方向に走り出す。すごいインパクトを残して走り去っていった三島由紀夫という人がいますね。村上春樹もマラソンをする。
メンタルコントロールとは、つまりフィジカルコントロールのことだ、という思想は広く根づき始めている。
身体を操作する、という活動はしたことがない。楽器を弾いていた時期はあるけど、そこまでの高い意識を持つことはできなかった。
今ならどうかな……やっぱり向いてないかな……そもそも向いてたら弾いてるよな、今も。
運動……
運動かぁ……