「あの感じ」
2023/09/22(金)
終日、用事をこなす。
靴がバラバラになった。
フォーマルな革靴が……まぁ安物なんだけど……縫い目がほどけ、糸が抜けてどこかにいってしまい、縫い合わされていた部分がベロンベロンにめくれあがった。こんな壊れ方ってするんだ、靴、と思った。よいものを買えばもっと保つのだろうけど、そのお金はつい、純粋に好きな種類の靴のほうに使ってしまう。
2023/09/23(土)
午前中ににわかに大雨が降ったけど、午後からは晴れて、濃く澄んだ青空が広がった。秋の色だ。
ブラスバンドの演奏を観る。コンサートホールではなく、秋祭り的なイベント会場で無料で観られるやつだ。
道警音楽隊が、クラシックやジャズや童謡のスタンダードナンバーを演奏する。女性のカラーガードがフラッグを振ったりもする。
こういうオーケストラ的な団体は、一般向けのイベントのために、最新の流行歌を編曲したものを準備している。この日演奏されたのは誰もが目を奪われていく完璧で究極のアイドルのやつでした。
今年はこれかー。
学生時代にオーケストラに所属していたことがある。
練習より飲み会が好きで、担当パートは「カス」です、なんて言っていた部員だけど、演奏会の本番の、身も心も合奏に奉仕して、自分がホールに響き渡る音楽の一部になっていくあの感じは忘れがたい。二軍があるような名門の巨大団体なら私なんかは絶対に出られなかったと思うのでよかった(よくない)
「あの感じ」を何度も、高い純度で味わいたい人が、音楽や演劇の舞台に立ち続けるのだろう。
私はそこまでにはなれなくて、今はひとりでポチポチ文字を打っている。
地方の演奏会で「ある愛の詩」を演奏したとき、観客の年配の男性が「その映画は私の青春でした、もう一度やってくれませんか」と大声で呼びかけてきた。予期せぬ事態にみんなで顔を見合わせたんだけど、指揮者の男子が柔軟で優秀でしたね。すぐに「ありがとうございます」と応じて我々に指示を出し、再度演奏した。
名もなき学生団体でも、いい曲を一生懸命演奏すれば、お義理じゃないアンコールをもらえたりするんだな。
あの経験は意外と大きかったような気がする。
いや、やっぱり地元の人の「気遣い」だった可能性もあるか。
2023/09/24(日)
終日、用事で終わる。
細かいストレスが蓄積している感じがある。
空き時間にツイ友が薦めていたり教えてくれたりしたマンガを買ってダウンロードする。
シギサワカヤ『ファムファタル』
ナナトエリ・亀山聡『僕の妻は発達障害』
この日記を読んでくれている人に私からお薦めするマンガは
とよ田みのる『これ描いて死ね』
です。すごい題名ですけど、ギリギリと胃壁を削るような嫌なタイプの作品ではないので安心してください。
離島に住む学生たちがマンガを描く喜びに目覚める、甘くはないけど希望に満ちた物語。温かみのある絵柄と前衛的な(でも読みづらくはない)数々の演出がとても素敵です。
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