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連載「カナルタ コトハジメ」#1 異文化への切実な好奇心
*2021年10月2日(土)より全国のミニシアターで劇場公開されるドキュメンタリー映画『カナルタ 螺旋状の夢』。僕自身がひとりでアマゾン熱帯雨林に飛び込み、かつて「首狩り族」として恐れられていたシュアール族と呼ばれる人々の村に1年間住み込んで撮った映画です。この連載では、『カナルタ』をより深く味わってもらえるように、自分の言葉でこの映画にまつわる様々なエピソードや製作の裏側にあるアイデアなどを綴っていきます*
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小さい頃から、僕は異文化に興味があった。もう少し根本的なことから始めれば、「他者」という存在に関心があったのだと思う。保育園にいた時から、おもちゃを分け合いっこしたり、お菓子を誰かにあげたり、もらったり、逆におもちゃを強引に奪われてしまったり、殴られたり、笑いあったり、といった周りの子供たちとのやりとりが不思議でならなかった。どうしてこんなにもみんなは自分と違うんだろう?どうしてケンカをしてしまうんだろう?と常に自分に問いかけていた。そして、お昼寝しなさいと言ってくる大人や、運動会でみんなで出し物をするために練習させられることにも、日頃から疑問を抱えていた。楽しいこともたくさんあったのだろうけれど、総じて僕の記憶の中での幼少期は暗い。こちらの意図がどれだけ「仲良くしたい」という純粋な気持ちから来ていたとしても、周りがそう受け取るとは限らない。気が弱く泣き虫だった僕は、背が組の中で一番高かったにも関わらずいじめられっ子だった。
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