見出し画像

リジェネラティブ生活とは

日々、自然の循環に身を任せ、無理なく暮らせたらどんな感じがするだろう。

忙しくしすぎず、加工食品や添加物に頼らずとも消化吸収しやすいものを選んで、ゆっくり調理して味わえたら、今より幸福を感じるだろうか。

より早く、便利に、安全に。それらがとことん追求された社会システムが、もう少し自然本来のあり方に寄り添うよう再構築されたら。
私たちの生活の質はどうなるだろう。

つらつらと、そんなことを考える。

けれども、主語を社会にまで広げてしまうと、それはあまりにも複雑。途方にくれるばかりだ。

だからまずは手の届く範囲で、周囲との関わりの中でポジティブに暮らしていくにはどうしたらよいか、リジェネラティブなあり方とはどういうことか、考えてみたい。

リジェネラティブとは

「再生」と訳されることの多いリジェネラティブ(regenerative)。近年、「リジェネラティブ農業」や「リジェネラティブ建築」、「リジェネラティブ観光」といった文脈で、世界的に注目を集めつつある。

リジェネラティブは、サステナブルという言葉に近い。

「サステナブル」は、マイナスをゼロに戻し、持続可能性を追求する概念。

「リジェネラティブ」はそれにプラスして、ただ持続させるだけでなく、元からあるものから新しいものを生み出し、更によくしていくという意味合いを持つ。

この考えを私たちの日常にも取り入れていこうとするのが、リジェネラティブ生活だ。

リジェネラティブ生活とは

リジェネラティブ生活は、自分自身を自然の循環の一部に位置づけ、周りの人や動植物、微生物たちと「共生」しているととらえる。

周囲からエネルギーをもらって、反芻し、お返しする。そして、エネルギーがより循環しやすいよう、環境を整える。

「自分さえよければいい」ではなく、周囲や環境との調和をはかることで、全体のウエルビーイングを高めていく。
そうしたことを実践していく生活スタイルだと考えている。


例えば、畑で野菜を育てる時に、化学肥料や農薬は使用せず、微生物の力を借りて土をふかふかにすることで、豊かな作物を実らせること。

食物繊維や発酵食品を日々の食事に取り入れることで腸内環境を整え、心身ともに健康になり、周囲にポジティブな影響を与えること。

旅先で、ただ消費するだけでなく、受け取ったものに感謝し、地域社会がまわっていくよう何かしらのお返しをしていくこと。

そうしたことが、リジェネラティブ生活の実践例となりそうだ。

リジェネラティブ生活のメリット

リジェネラティブ生活のいいところは、毎日がちょっとした実験になることだ。観察し、トライアンドエラーを繰り返し、一喜一憂する。

生活環境や水、食べ物などすべてを健康的で心地よいものにしていくので、細胞レベルで元気になる。

日々、小さなことからフィードバックを受け止め、利他的にふるまうことで、周りとの関係も良くなる。

いいことずくめだ。

かくいう私も、まだまだリジェネラティブ生活を意識し始めたばかりで、まったくの手探り状態。わからないこと、整理されていないことだらけだ。

ただ、これと思うことを実践していく中で、不調や違和感が、少しずつ軽くなってきているように感じる。

それらを言葉にすることで、リジェネラティブ生活を紐解いていけたらと思う。

次回は、なぜ、リジェネラティブ生活を考えるようになったのか、長年悩んできた腸と自律神経の不調について、お話ししてみたい。

いいなと思ったら応援しよう!