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【私の海外勤務経験】トロント編 その2

皆さん、こんにちは!💕英語・美容コーチのAkikoです🥰

今日は前回の記事の続きを書いていきます!今回初めて私のnoteに訪れて下さった方は、ぜひ!”【私の海外勤務経験】トロント編 その1”も合わせてお楽しみください!(秘蔵写真付き🥰)

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そんな時、ひとりの女性のお客様を担当した。女性の顔は青く、血色がない。質素な服装で足取りも遅く、なぜか時の流れが止まってしまっているかのようだ。お客様はカウンターの椅子に静かに腰を下ろし、私はゆっくりと歩み寄った。

「いらっしゃいませ、本日は何かお探しでしょうか。」(会話は全て英語)とお伺いすると、「化粧水を試したいわ。それに・・・あなたにお願いがあるのだけれど、私に似合う色の口紅を塗ってほしいの。」とお客様が小さな声でおっしゃった。

私はいつものようにスキンコンサルテーション後、お顔をお拭きし、お化粧水と乳液を塗り、優しくフェイシャルマッサージを施した。それから白い肌の方に似合う赤い口紅を選び、お客様の唇に丁寧に筆で色を添えた。

女性の顔が最初に見たときよりもほんのり赤く血色も良くなっていることを確認し、鏡を抱いて私はお客様の前へ出て腰を屈めた。

「いかがでございますか?」「まあ、私はなんて綺麗なのでしょう。お肌も明るくて生き返ったようだわ。実は私・・・ある理由があって、この15年間お化粧をしなかったの。今日はあなたに顔をお手入れしてもらって、15年ぶりに口紅を塗ったのよ。あなたのおかげで女性としての喜びを思い出したわ、私本当に綺麗だわ、ありがとう、ありがとう。

私は心の中で何か温かいものがこみ上げてくるのがわかり、このお言葉を頂いたことがただ嬉しく、感動で胸が打ち振るえた。ご病気を患われていたのだろうか、それとも・・・。

理由はわからなくても、15年ぶりに蘇った美しい自分の姿を目にし喜びに浸っているお客様を目の前にし、私は確信した。

一滴の化粧水、一筆の口紅の赤い線が、人を幸せにする力を。

そして、それをお客様へ施すことを許された手を持つ「ビューティーコンサルタント」という職業は、喜びそのものだということを。お客様のお肌に触れ温かくなった私の両手を差し出し「今日は私もお客様にお会いできてとても嬉しかったです、ありがとうございます。」と言って私たちは握手をした。

思い返せば、私が人生の課題や目標に出会う時は、いつも「人との出会い」を通してだった。

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いよいよ次回は3部作最終回!お楽しみに♪



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