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深夜のガスパール「Aの千一夜物語」

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夜のとばりが深くなると、思いだす映画の数々。 映画の筋もさることながら、その映画と出会ったころの私が炙り絵のように滲んでくる、そんな夜更け。 これは、’60年代から現在までの半世…
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#リービング・ラスベガス

第一夜 Mを思い出す夜

なぜこの映画が第一夜にきたのか、自分でもわからない。 時々思いだしては、この映画の基調ともなっているstingの「Angel eyes」がたまらなく聴きたくなるのが常だ。 多分、ほとんどが夜のシーンが印象的なので、夜中のガスパールというとこの映画を思い出すのだろう。 アル中と娼婦の救いようのない話だ。 ベガスのけばけばしいネオンの街を居場所を求めるニコラス・ケイジとエリザベス・シュー演じる人生から転落したふたり。 劇場公開を観たのは、30代の後半に差しかかったころ。 私は