【子育て】子どもが「できる」と宣言したことは必ずできるのだと信じ、背中を見送った日
小1の息子が、学校から帰宅するなり「今日はパンダ公園でみんなと遊ぶ!」と言う。
パンダ公園とは、家族と一緒に行ったことは何度かあるが、子どもだけ、しかも息子一人で行かせたことはない。
そこそこ距離もあるし、そこそこ大きな横断歩道を渡るし、そこそこ車の往来が多い通りに沿っていく。
自宅からどのくらい離れているんだろう。片道1キロくらいあるんじゃないだろうか。
「ともくんにとって、初めての大冒険だね! 道わかるの? 一人で行けるの? 大丈夫?」
「うん、大丈夫! パパと何回も一緒に行った!」
「・・・お母さん、一緒について行っちゃおうかな〜」
すると息子は笑いながらこう答えた。
「笑。なんでママは、ともくんの初めての大冒険を邪魔するの?」
そうかあ、そうだよなあ。
「なんて頼もしい言葉」と息子の成長を喜ぶ自分がいる反面、やはり心配は募る。
こっそり探偵みたいに尾行しようかと本気で考えていた時、ふと思い出した。
「子どもが『できる!』と宣言したことは、たいていのことが本当にできてしまうのだ」ということを。
* * * * *
・この高さからジャンプする!
・すべり台の階段を自分一人で上がって、自分一人で降りてくる!
・登り棒を滑り降りる!
息子も娘も、身体能力と成功したい欲求がどんどん高まる2〜5歳の頃は、毎回「○○する!」宣言していたっけ。
「ええー、無理じゃない?」と断言して止めたくなる時も、グッと堪えて、見守るようにした。
「落下するとしたらここだから、ここで待ち構えておこう」とか、「ここで失敗しても、軽症だろうからいいか」とか、万が一の場合を頭に思い描きながら。
しかしどうでしょうか。子どもたちは、親の心配をよそに、軽々と「できる」ことを「できた」にしてしまっていたなあ。
* * * * *
だから、パンダ公園へ一人で向かうという息子の気持ちを尊重することにした。子どもの「できる」を、今回も信頼することにしたのだ。
家の前で「気をつけてね」「飛び出しちゃダメだよ」と何度も伝えた。
「道に迷ったら、学校のチャイムを鳴らして、先生に相談するんだよ」と言ったら、「学校からだったら、一人で帰ってこれるけど。。。」と不思議そうな顔で私を見つめて微笑んだ。
「あ、そっか。そうだよね」と私も微笑んだ。
「行ってきまーす!」
スキップをしながら、さもご機嫌そうに家の前の坂道を駆け降りていく息子。あの角を曲がって、次の角を左に曲がって、横断歩道を渡って、、、いつも家族で歩く通り道を、自分一人で謳歌しているんだなあと思うと、母はちょっぴり寂しくなった。
こうして少しずつ、子どもは離れていくんだな。嬉しくて寂しくて複雑な気持ちだけど、やはり喜ばしい。
息子も娘も、これから宣言する「できる!」はどんどん高度に、どんどん個性的になって、親の手から離れていくんだろう。
* * * * *
でも大丈夫だもん。息子はまだ一緒に寝てくれているもん。
「お話読んで」って、本を抱えて、布団に入ってきてくれるもん。