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【子育て】親の本気を子どもが超える日
小2の息子・ともまる。もうすぐ小3になる彼は、ここのところ元気を持て余している印象だ。
週の半分くらいは、下校後すぐに公園へ向かい、友達とドッヂボールに興じているらしい。「◯◯君みたいに、速いボールを投げたい!」とか「うまくキャッチできるようになりたい!」とひっきりなしに言うから、「じゃあ、今度、公園へ練習しに行こう」と恐らくわたしはその場凌ぎで発言したのだが、気がついたら夫とともまると3人でドッヂボール大会をしていた。
ドッヂボールなんて40年ぶりかもしれない。ともまるは本気で強くなりたいと思っているので、こちらも本気で取り組んだ。本気で投げて、本気でかわした。本気でキャッチして、本気で当てに行った。
親の本気が、通用するようになったことに驚いた。
*
翌日も、ともまるは元気を持て余していた。わたしはその対応に疲れつつあり、気分転換と運動不足解消を兼ねて、「お母さんは、30分ぐらい歩いてくる」ことにした。いつもなら「わかったーじゃあねー」と送り出してくれるのだが、「そっか、僕も行こうかな」と言う。
(ええ〜? 一人で黙々歩くことが、気分転換になるんだけど〜)
と、わたしは怪訝な顔をしたと思う。だがその一方で、「小僧め、母親の急勾配お散歩コースを分かっていないな」と思い、「いいよ、お母さんの本気のお散歩コース、一緒に行ってみる?」と返した。
「え? どんなコース?」
「上りの急坂が3箇所あるよ。お母さんのお気に入りのコース」
「ふーん」
「疲れたら、コースを変えてあげるから、大丈夫だよ」
「分かった」
かくして私たち母子は出かけたわけだが、結果として50歳の急勾配お散歩コースなんて、もうすぐ9歳になる8歳には余裕のよっちゃんだった。
わたしが「すごい急坂」と表現した坂道だけは「ええー、すごい坂道だね」と認めはしたが、涼しい顔で上り切ってしまうし。
悔しかった。ともまるに「ママ、すごいね」と言わせたかった。
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これはいかん。親の本気を子どもが抜かしてしまう日を、もっと先延ばしにしたいと思った。もっと歩こう、鍛えよう。