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【50歳のつぶやき】おじさんかと思ったら、自分だったという驚き
あれは15年くらい前だっただろうか。とある人気女性誌で、衝撃的なタイトルの企画があった。
「〝おばさん〟はまだマシ! 女子の〝おじさん〟化に気をつけろ!」みたいな内容だったと思う。実際には、こんな歯切れの悪いタイトルではなかったと思うが。スミマセン。
雑誌のターゲットはおそらく30代前半で、〝お姉さん〟と〝おばさん〟の間で揺れる年代。出世魚のブリでいうならば、〝ハマチ〟あたりだろうか。
努力次第で〝お姉さん〟の地位をキープできるが、いつ〝おばさん〟に転落するか分からない。そんな微妙な立ち位置で、読者はみんな〝おばさん〟にはなりたくない、と強く思っている。私も読者像そのままに〝おばさん〟は避けたいと願っている一人だった。
ところが、特集では「おばさんの方がマシ!」と訴えていた。目から鱗な主張である。さらには、「そこのあなた、もしかしたら〝おじさん化〟してない?」と畳み掛けてくるではないか。
「う、うお? お、おじさん? そんなの考えたこともなかった……!!」と頭が混乱すらした。
・口まわりの産毛の処理ができていないと、まるでヒゲの生えたおじさん
・飲みの席で手酌をし出したら、それはおじさん
・電車の中で新聞を読んでいたら、それはおじさん。新聞紙を縦に2つ折りにしていたら決定的(今や絶滅種ですね)
とか、そんな内容だったと思う。
自分がどうとかこうとか言う前に、当時は雑誌の編集をしていたから、その企画内容の突拍子さにただただ感心したことを覚えている。
*
時が過ぎて、私は正真正銘の〝おばさん〟になった。それどころか、過去に3回ほど〝おばあちゃん〟疑惑がかかったこともある。(拙著ZINE「今日もできることから」の「席を譲って譲られて」に詳しい)
だが、私にはまだカードがある。おじさんというカード。あの雑誌の特集が、意外と記憶のどこかに住みついていて、「私はまだ〝おじさん〟にはなっていない」という安心感(安心なの?)がどこかにあったのだった。
ところが、今日がその「Xデー」になってしまった。
写真の中の自分を、パッと見た時に「おじさん」と直感したのだった。
「え、えー、よく見たら、コレ、ワタシアルネ」
愕然とした。愕然ついでに、ものすごく真剣に分析をしたら、まあいろいろな不運が重なっていたのではあるが。
・イベントスタッフをしていた時の写真なので、黒のキャップをかぶっていた→おじさんっぽい
・同、イベントスタッフ用のゼッケンのようなものを着用していた→男女の区別がつきにくい
・同、動きやすいようジーンズだった→おじさんっぽい
ね、おじさんに見えても仕方がないでしょう?
仕方がないよね。
仕方がないと言ってほしい。
*
こうして、私に残されたカードは「おじいさん」のみになった。
信じられます? まだ50歳ですよ? 女性ですよ? 小中学生の母親ですよ?
あーーー怖い! Xデーが怖い!
★2024年12月は、1日1掃除!★
2日目:今日は、冷蔵庫と換気扇の上を拭きました。昨日同様に、油とホコリが混ざったような汚れだったので、意外と手間取り20分ほどかかりました。