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幸せの価値観 「二度寝、最高」と小2息子が言った。

暑い、猛暑だ、酷暑だ。
9月になっても暑いねえ。10月だというのに暑いねえ。

とつい最近まで、愚痴の大半が暑さに関わることだったような気がするが、今朝ひさびさに「このままお布団にくるまっていたいな」という感情が湧き、「ああ、いよいよ秋なのですな、冬なのですな」と確認したのだった。

小2の息子が、「ママ、二度寝って最高だよね」と言ったのも、朝の起き抜けに少しばかり寒さが感じられるようになってきた頃だった。
あまりに子どもらしくない発言なので、「え? なんて?」と聞き返した。「だからあ、二度寝って最高だよね」。
「ともまる、〝二度寝〟なんて言葉知ってるんだ?」と半笑いしながら聞くと、
「うん、だから、明日は6時に起こしてね。一度起きてトイレに行って、ぼく〝二度寝〟するから」と言う。

一度起きて、また寝てもいい。私も二度寝は大好きだけど。
これって、社会に揉まれてどうにもお疲れ気味の大人が感じる、〝小さな〟幸せかと思っていたけど、まだまだ生まれて8年そこらのチビッコの〝最高な〟幸せとは。

そんな小さなことに「最高」という言葉を当ててしまったらアナタ、ケーキを食べる時とか遊園地行った時とか、表現に困るでしょう。と言いかけて、ふっと思い出したことがあった。

学校給食でケーキが出ても、残す子どもが多いという。
「え? そうなの?」
「そうらしいよ。うちの子たちも、特に喜ばないし」

時代だなあ、時代なんだなあ。
私が子どもだった頃(昭和)、給食でクリスマスケーキが出て、子どもも親も大騒ぎしたものだ。献立表に燦然と輝く「ケーキ」の文字に胸が弾み、みんながその日を心待ちにしていた。もちろん当日はありがたくケーキをいただき、「最高の給食」として記憶に刻まれたのだった。

しかし現在の子ども達にとって、ケーキなんて当たり前すぎて、ありがたくも、嬉しくもないらしい。うちの子ども達は、そこそこ喜ぶが、それでも献立表を見つめてニヤニヤしたりしない。

昭和)ケーキ、最高!
令和)二度寝、最高!

幸せの価値観も、時代とともに移り変わって行く……。

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