人生の最期を幸せにする願い
このところはもう、あんまり喋らないし反応も乏しい認知症の祖母。だからこれは 1年くらい前の話です。母と電話で話していてふと、母が言いました。
「あ、そういえばばあちゃん、ずっと願ってたことが叶ってるんだなあ。」
なになに?
「まだボケるずっと前に、ばあちゃんがよく言ってたんだ。『おら、できればボケないで死ぬまでしっかりしていたいけど、そればっかりはどうなるか分からねえ。だけど もしボケても、ありがとうって言うのは忘れたくねえなあ』って。
今のばあちゃんの一日の終わりは、必ず『ありがとう』だからな。それは叶ってるなあ。まあ、頭の中はハチャメチャになっちゃったけど(笑)」
一日の終わり、祖母のトイレを介助してベッドに寝かせてお布団をかけてあげると、母は「ばあちゃん。今日も一日無事に終わったね。お疲れ様でした」と言って頭を撫でます。
そうすると祖母は「はい。今日もありがとうございました」そう言って眠ります。
私はこのやり取りを見るのがすごく好きで、とても幸せな気持ちになります。
ボケたって貧乏だってなんだって、
「ありがとうと言える自分」が最後に残ったら、それより幸せなものなんてないな。
祖母はまだ頭がしっかりしてる時、なんという素敵なことを願ったんだろうと思います。
これは、もう頭の中は全然しっかりしてない近影。なにか喋ってるけど、なんて言ってるのかよくわからないところ(笑)
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