見出し画像

おにぎり人気はいつまで? あと57日

 2023年10月に山小屋から下山し、2ケ月ぶりに自由にいろいろなものが手に入る下界の生活を大いに享受しようと気ままに信州を旅していた時、出会ったのがおにぎり愛に満ちた一人の女性だった。そこからお米とおにぎりを真剣に考えるようになった。

 一旦仕事から離れていた時期でもあり、次何をテーマに仕事をしようかなと考える余白もあった。ヒトにとって大事なもの。お米を味わう幸せってあるよなと。実際に私がその人の作るおにぎりに涙が出るほどじーんとしたから。その時期の感受性が異様に高かったのもあって「おにぎり」これが一番重要というほどの衝撃だった。
さて、おにぎりを自分の手で握り提供する仕事はどこにあるのかと調べた。早朝から働くのであまり遠くへはいけない。その頃、丁度おにぎりに脚光が当たっていた時期でもあった。インバウンド需要もあり200円台の手作りおにぎりはどんどん売れているらしかった。果たして自分がおにぎり2つと味噌汁の朝食セットを食べて仕事に行くのか? ちょっとおにぎり2つを買って帰るのに500円600円払うのかと言ったら「否」なんだけど。
黙々と作るか店頭で三角巾を頭に結んで販売するのか といった仕事だけど、1件近所に話を聞きに行った先は日中の販売員は足りているから、毎朝5時から仕込みだけをしてくれる枠なら考えてもいいという返事だった。
 私はおにぎりをどうしたいのだろう。頑張って早起きして自転車で店に向かい、開店までお米を炊き握る仕事をしたかったのか?
いや、旅先で出会った女性とのシチュエーションは居酒屋の朝の空き時間を時間借りして朝ごはんおにぎりをカウンターで提供するというものだった。小さなお店でお客さんとカウンターごしに話をしてくれるような。
そうか! カウンターの中の女将になりたかったのかもしれない。裏方の米炊きは予定していなかったとその時に気づいた。

 その後、おにぎり屋さんサーチの目は光らせているもののおにぎりパートには応募していない。山小屋行きを許してまた戻ってきてねと言ってくれていたコワーキングカフェに再度収まり、おにぎりではなくスペシャルティコーヒーやバナナケーキを提供する仕事に戻った。
おにぎりは日本人にとってほっとできる食べ物に違いない。おいしくご飯を炊いてたまにはふんだんに海苔を巻いて自分の為に作っている。
各地に有名な「少々高いけれどとてもおいしいおにぎり屋さん」は点在する。まだブームの中にあるのだろうがそれほど話題に上がらなくなってきた気もする。ブームってそんなもの。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集