
ウォータレスリトグラフの体験講座1日目
普段はオイルパステルで絵を描いている前川明子と申します。よく美術館で「ああ、素敵な絵だな。どうやって描いてるのかな?」と技法のキャプションを見ると
リトグラフ
と書いてあることがあり、
「ふーーん。リトグラフかぁ。。。石版画なんやね(なんとなくの知識)」
で済ませていたんですが、、、
石版画ってなんやねん??
はい!何もわかってませんでした!なので、実際に体験してみようと、東京・町田にある版画工房カワラボ!kawalabo!さんの体験講座に参加することにしました。
事前にお聞きしたところ、リトグラフは初心者には難しい工程があるとのことで、初心者にも親しみやすい「ウォータレスリトグラフ」をお薦めされ、正直どっちがどうなのか全然わからなかったので、お薦めされるままにウォータレスリトグラフの体験をすることにしました。
まずは版作り
昔は石の版を使っていたようですが、今はアルミの板を版に使うそうです。カッターナイフで切ることができるほどの薄さなので、まずは必要なサイズになるように切り分けました。
画材は、ステッドラーのオムニクローム鉛筆、コピー機のトナーをアルコールやホワイトガソリンで溶いたものになります。(他にももう一種類あったように思うのですが、、忘れてしまいました。。)トナーと液を混ぜたものを筆を使って描いていきます。
描き間違えたり、消したりしたいときはアルコールをウェスに含ませて拭うと消すことができます。
ステッドラーで描いた線はアルミ版にしっかり定着しますが、ホワイトガソリンなどで溶いたトナーの部分は、熱を加えて定着させました。
このトナーを溶いた液で描く模様が、これまで使った画材では表現できないような不思議な感じで気に入りました。(下の写真の左側など)
これがその版になります。
前にオイルパステルで描いていたマルタンマルジェラの手袋型のハンドバッグの絵をウォータレスリトグラフで描いたらどうなるのかなと思ってここでも描いてみました。
以前、この絵をprocreateやadobe Frescoで描いてみた記事はこちら。
版画で刷るということは、絵は反転されるので、文字はちゃんと反転させて描いたのですが、肝心のモチーフは反転するのを忘れていました。刷りあがりはオイルパステルの原画と鏡面になってしまうのが残念です。
これが元の絵
文字は気がついたのに、、残念。
版の絵を完成させた後、シリコンを薄く塗って、しっかりと拭き取りました。こうすることでインクをつけたくない部分(アルミの素材そのままの部分)に薄くシリコンの膜がつき、油性の画材で描いた部分はシリコンを弾きます。画材で描いた部分にはインクがのり、紙に転写させることで版画となるのだそうです。
今回は、ここまででした。次回は版にインクをのせて印刷していきます。近々行こうと思っていたのですが、急ぎの仕事が入ってしまったので、体験日を5月半ばまでずらしてもらうことになりました。
はやく刷りたいです!
刷ったらまた続報をこちらに書きたいと思います。