日本のIT人材:年収低すぎ&年功序列の二重苦
今日発見したXのポストがこれですが、リポストは「だいたい合ってる」と言うものが多く、否定しているのもがなかったのでこれがリアルだとして話を続けます。
筆者はこれをみて日本のIT人材の年収が低すぎる事に驚いたと同時にIT人材にも年功序列が敷かれている事に驚きました。
アメリカのIT人材年代別表と比較してみる
総務省の「我が国におけるIT人材の動向(令和3年2月4日)」をみていると日米の年収比較が出ています。年収格差に驚かされますが、それよりも日本は50を過ぎても上がり続ける年功序列の国であることがわかります。アメリカでは30代で飛躍的に年収が上がった後は、40代50代と徐々に下がっていきますが日本は綺麗な年功序列の階段を登っていくのがわかります。
ただしこのデータは平成29年のものであり、経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」を元にしています。
2017年のレートは1ドル=114円、 2023年のレートは1ドル147円 に換算して計算し直してみると、このようなグラフになります。
ただし現在は異常な円安に傾いており物価を考慮する必要があると思いました。ビッグマック指数が役立つので「世界のビッグマック価格ランキング(2022年7月27日)から
日本:390円
アメリカ:710円
日本の物価指数を100%とした場合、アメリカの物価は日本の約197%です。
これを考慮してグラフを書き直してみると以下のようになります。
物価を考慮してもITエンジニアはアメリカの2/3位の年収
上記のグラフをみると物価を考慮してもアメリカの年収の2/3ほどですがその格差が年齢とともに縮まっていく事がわかります。50代をすぎるとアメリカと日本での年収格差が逆転します。
英語を学んで20代からアメリカで働き、50過ぎたら日本に戻ってきて働くのが一番高額の生涯年収を得られる道なのではないでしょうか。
アメリカの情報系や工科大学系を出てエンジニアとして働き、50過ぎたらそのネイティブクラスの英語力を活かして日本で転職すれば高額所得者になれる可能性があります。しかも現場で働いていた訳ですから専門用語を駆使して各国のオフショアエンジニアや取引先とも渡り合えます。
年功序列の国日本で勝ち組老人になるとアメリカの年収を超える
経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(平成29年)」には平均値の他に年収の最小値と年収の最大値も調査されていますのでそれをグラフにしてみると以下の様になります。
20代の頃に比べて50代では格差はますます広がっています。50代のITエンジニアの最高年収が2,250万円ですがネイティブクラスの英語力とアメリカのビッグテックなどで働いていた経歴があれば、さらにこの年収を超えてくるのではないでしょうか。