僕と音楽泥棒が望んだもの——ヨルシカ3rdアルバム『盗作』レビュー
何かの発売日を待ち遠しく思ったのは、久しぶりだった。それは、小学生のような純真さで、おすわりをする飼い犬のような従順さで。あらゆるものの中止と延期が繰り返されて生活は干からびていた。渇望していた、何かを与えられること、期待すること、わくわくすること。これで、僕は満たされる。7月29日が来れば、ヨルシカの『盗作』が渇いた僕を潤してくれる。そう、思っていた。
7月29日はゆっくりと、それでいてあっという間に訪れた。全14曲、46分は長く、短い祭だった。でも、僕は全然満たされなか