先生のセカンドキャリアを決める2つの要素と4象限
こんにちは!越境先生の前田です。
会社員・非営利活動法人の代表理事(設立中)・個人事業主と三足の草鞋を履いて活動しています。
私自身が教員だったわけですが、先生の越境を啓蒙していく中で様々なキャリアのパターンに出会ってきました。そうこうしていくうちに学校の先生のキャリア全般に関心を持つようになってきました。
この記事を読んでおられる皆さんも、先生のキャリアには関心を持たれているかもしれません。最近、身の回りの先生方のセカンドキャリア観測する中で、それを左右する簡単な法則性を見つけたのでまとめておきます。
キーワードは教員としてのキャリアと付加価値です。
キャリアづくりの参考にしていただけますと幸いです。
教員のセカンドキャリアを左右する2大要素
早速結論をお伝えすると、学校の先生のセカンドキャリを左右する要素は大きく2つあります。
教員としてのキャリア
まず1つ目がそれまで積み上げてきた教員としてのキャリアです。
これが大きければ大きいほどキャリアチェンジ(つまり転職などですね)の幅は大きくなります。教員としてのキャリアが最高潮に高まった状態は校長先生にまで昇進し、実績を残すことです。例えば先ごろまで横浜創英の校長をされていた工藤先生の場合がそれにあたりそうです。公立中学校での経験を重ね、麹町中学校の実践で一躍有名になりました。もちろん、有名になるだけではなく、麹町中学校で様々な新しい実践を重ね、それを書籍にまとめたことで多くの人に伝わる状態にまで落とし込んでおられます。
一方でただ年数を重ねれば良いというわけでもない。「自分に軸を持って学校で仕事をし、いかに成果をあげてきたか」ということが、教員のキャリアのバラメータを高めることに繋がります。
反対に教員という専門職の危険なところは、学校という世界の中で己を持たず組織の論理と言語に染まっているだけでも年数を重ねていけるところです。勝手に給料も上がっていきます。(世間では似たものを大企業病と言ったりもします。)失点がないだけで要職に付けたりもします。この状態の人は良い教員としてのキャリアを積んできたとは言えません。組織内では有名人になっていたりしますが、それは他組織には転用できない権威であり、変なプライドが形成されてしまう分やっかいな場合もあります。転職エージェントなどが元学校の先生に対して「少し難しいな」というリアクションをとる場合がありますが、上記のような危険性を持っている人をしばしば目にしてきたからでしょう。
教員としてのキャリアは大切な財産です。一方で、余分なプライドを育んでしまったり、高めの水準給与が結果的にセカンドキャリアの幅を狭めてしまうかもしれないということを、頭のどこかに置いておいた方が良いかもしれません。
付加価値
付加価値とは「独自に付け加えられた価値」のことです。この場では教員のキャリアとは別の文脈で築かれた人材としての価値を付加価値と呼ぶことにします。この付加価値には様々な種類のものがあります。「Excelの達人」「英会話ができる」「歌唱力が高い」など、教員としてのキャリアを順当に歩むだけでは身につかない技能は全てその人独自の付加価値と言えます。一方で、「英会話ができる」と「歌唱力が高い」の付加価値について、職業人としてどちらが広く価値を感じてもらいやすいかで言えばもちろん「英会話ができる」の方になります。付加価値は独自の価値ですので、社会でより汎用性のあるとされるものの方が、キャリアに影響を与えやすい側面があります。とはいえ例えば「歌唱力が高い」が極まった先生がいれば、ボイストレーナーとしてキャリアチェンジしたりプロの歌手としてキャリアチェンジしたりと言ったことも起こりうるかもしれません。
教員としてのキャリアと付加価値の4象限
教員としてのキャリアの観点と、それ以外の付加価値の観点があることをお伝えしました。ではここからは、2つの観点が作用しあった4象限について解説していきます。横軸を教員としてのキャリア、縦軸を付加価値として見ていきます。
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