小杉湯に行って来ました。銭湯はまるでテーマパーク…【前編】
待ちに待った東京の銭湯
「やっと来れた」
それが最初の感想。東京の銭湯にはずっと興味があった。鳥取も温泉や銭湯はたくさんあるけれど、何が、どんな風に違うのか。気になっていた。
小杉湯のスタッフで『銭湯図解』の著者・塩谷さんを中心にTwitterではのことがよく流れてたので、東京にいる間に来ようと思っていた。
来て正解だった。
銭湯は、歴史のある建物。
そして、人が気軽に集える場所。
そう感じた。東京にある人情がたくさん、垣間見えた。
高円寺から商店街を抜けてジグザグに
小杉湯への行き方は、簡単だ(僕は迷ったけど)。
高円寺駅北口を出ると、目の前に北向きの横断歩道が見える。まっすぐ進み、商店街のゲートをくぐる。
オシャレさと少しの昭和感が混じった路地をまっすぐ進むと、突き当たり。ベーカリーが左手にあるのでそこをもれなく左折。
そこから少し行くとまた突き当たり。イタリアンな名前のお店を目印に今度は右折。
そうすると、商店街の賑やかさとは一線を画すような路地を発見。
(路地マニアの僕としても、これはなかなかの路地だ)
とか考えていると、その路地の少し奥に、『小杉湯』の看板を発見。路地をまっすぐ進む。
看板の下まで来て、「入口が…ない?」と思っていたら、クリーニング屋さんのところを右折だったみたい。
さらに狭くなった路地に、ありました、『小杉湯』の入口。
なんと、銭湯図解の暖簾がある…塩谷さんのことも書いてある…
(そういえば、昨日情熱大陸出てたんだっけか…人多くないといいなぁ…)
レトロで壮大な見た目
外観に惚れる。
小杉湯1933年創業(現86歳)と古くから続いている銭湯で、建物のレトロな外観が「どストライク」だった。見た瞬間に胸を打たれた。
しかし、暖簾(銭湯図解の)やアヒルのイラストなどは「もだんてくのろじー」の恩恵ともいえるであろう作品たち。
(小杉湯の銭湯図解によると、いつもは鯉の暖簾がかけられてるみたいだ。今は特別仕様なのか…?)
その融合にも、なにか惹かれる部分がある。
暖簾をくぐると、レトロな傘置き場と土間が登場。傘置き場にもイラストが。
「この傘置き場、100円入れても戻ってくるやつだ…東京にもこういうのあるんだ…」
と、鳥取の銭湯とも比べる。
個人的には靴箱の鍵が木板なのも、どストライク(写真撮ってくるの忘れた…)。
レトロ好きな人にはぜひオススメしたい土間だ。
ローカルで昭和な銭湯
傘と靴をしまい、前の引き戸を引くと、小杉湯の中が見えた。
入って左手に番台さんのカウンターがある。その両隣には暖簾がかかっている。入って手前が女湯で、奥が男湯だ。
常連さんであろう方たちは、番台さんと軽く会話してから脱衣所へ向かっている。
ほとんどの人がそうなので、地域の人がよく来る、地域に根ざした銭湯なんだなぁ、と。
ひとつの地域、コミュニティが家族に近い、昭和の時代のノスタルジーを感じた(平成生まれですが…)。
「ゆっくりね」、と聞いて脱衣所に向かう
(番台のお姉さんチャキチャキしててカッコイイ…)
僕が行った日のお姉さんは歯切れがとても良くて、僕の知る表現の範囲で表すと、「チャキチャキ」だ。
このお姉さんとは、お風呂に入る前と、入ったあとにストラップや本を買おうと思って話をした。
「ストラップ?後から見においでや!先にお風呂入って来な!ゆっくりね!」
「本(銭湯図解)買ってくれんの?そこに見本誌あるからそっち見たら!ゆっくりね!」
と、いった感じ(言葉で表せないので、覚えてる限り正確に文字に起こす)。
(結局、いっぱい買いました)
その「ゆっくりね!」は僕が東京にきてからの2年間、ほとんど耳にしなかった言葉。そんな言葉を聞いたのはいつぶりだろうか、と振り返ってしまうほど、懐かしい響きがした。その言葉で確信した。この場所は人情味のある場所なんだ、と。
その人情味で暖まった体で、僕は脱衣所に向かった。
(そしてバスタオルをレンタルし忘れたことに気づき、40円を握りしめ、番台へと再び向かったのであった)
【後編】に続きます!
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