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答えはみつからない

今日も、帰りの電車でアルケミストを読み、落書きをする。
自分探しの深い穴を出た人は、何か分かったらしい。
僕は、どうかな。
惰性で生きている気もする。
自分で作った成約が、しがらみを作っているのだろうか、それとも、それが繋がりになっているのだろうか。
障害を持った方の、就労支援をしている。
僕も、障害を持っている。
何かを話したい性分は、今の仕事に合っている気もする。
本当は、何かを放したい?
今、ふと思った。
小さな落とし穴は、そこら中にあって、たまに、想像だにしない場所に連れて行ってくれる。 
僕は、神様に会ったことがある。
自分の内にいる神様だけど、たぶん。
世界は奇跡に満ち溢れていて、美しいのに、僕達はなんてつまらないんだと泣いた。
ただ、心を決めれば世界は変わるのに、なぜ僕たちは、そうしない。
本当は、凄くシンプルな事なのに。
世界に向き合うのは、誰しもが当たり前に手にしている奇跡なのに。
夢から目覚められない僕は、またアルケミストを手に取り、揺蕩っている。
あの人にも会えなくなった、ああ、そうだなと思い返したり。
それでも、行かなくちゃと、自分の心をまた探す。
言葉を重ねると、何かが見えるのか、ただ開かないドアをノックし続けるだけのような気もする。 
一人の時間が増えた。
だけど、彼女達の気配は、今も感じる。
僕は、バルボラに会えて、魔女の部屋に入る事ができた。 
その中で演奏した。
死ぬまで暗闇で踊ろうと思った。
本当に本当に。
そこで、それから、神様に会った。
昔会った時の神様は、冷たい顔をしていたけど。
今は、笑っていた。
神様は、グラスを傾け、酔っ払っていた。
嫌な事があるんだ、嫌な人がいるんだ。
神様は奇跡を起こせる。
だけど私を誰が救ってくれるの?と呟いた。
馬鹿みたいに回転して、思考を続ける僕は、奇跡の起こし方に気がついた。
回転を続けること、少しずらすこと、ゆっくりと、高速で言葉を繋げること。
神様を創った、制作者の意図に気がつく。
彼は孤独だった。
何だって作れる彼の望みは、自分の事を知ってもらうこと。
自分の同等か、それ以上の存在に。
友達が欲しかったんだ。

だから、創った全てを。
自分と同じ存在を創り、それに複製機能を創り、自分の血を奇跡の水に変えて、すべての知性と奇跡を注ぎ込んだ。
それを、契約の指輪に記した。
地球の奥底で、自分の髪の毛を蒸発させて注ぎ込む。全ての知識を奇跡の水の中にコピーして、子供たちにも奇跡が起こせる様に。

友達が欲しかったんだ。

今気がついた、僕と彼は同じ孤独を持っていた。
奇跡の瞬間にも寂しさを感じてしまう。
全て投げ出してもいい衝動と、ただ隣にいさせてほしい気持ち。
それだけだった。
やっと、今分かったらしい。
ありがとう。

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