【30】汎用性のある思考整理法が魅力『持続可能な地域のつくり方』筧裕介
ビジネスカジュアルが浸透しているため、夏場にスーツを着る機会はほとんどないが、普段はスーツの上着に社章とSDGsバッチを付けている
電車内や街中でもSDGsバッチを付けている人は多く見かける
SDGsとは「持続的な開発目標」のことであり、2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の通称である
国連と聞くと世界規模の環境問題や貧困問題が対象で、一般人には関係がないと考えがちだが、内容を見ていくと異なることがわかる
先月参加した中小企業診断士の理論政策研修でSDGsが取り上げられていたが、企業経営の改善においても活用できるツールという印象を持った
本書では、SDGsをツールとして活用し、持続可能な地域を実現するための方法論を提示している
著者は、地域外のデザイナーやコンサルタント、地域内の事業者など複数の立場で地域に携わっており、その経験をまとめたものとなっている
印象に残ったのは「地図を描くという思考整理法」
次の3つの視点があるという
「個(断片・部分)ではなく、全体で考える」
「部分(個)ではなく、相互関係で考える」
「現象ではなく、構造を考える」
これを読んで思い出したのが、中小企業大学校で学んだ課題抽出のプロセス
課題抽出のプロセスでは、各種調査から明らかになった事実を特徴に応じてグルーピングし、それらの関連性や因果関係の構造化が行われる
持続可能な地域を考える思考法は他の分野でも大いに活用の余地があると感じた