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【52】やりたいことを実現するプロセス『勉強の価値』森博嗣
勉強すること、努力することは、無条件に良いことだという風潮があります
子どもの頃は、何で勉強しないといけないのか、と考えていても、大人になれば、この風潮に同調しているのではないでしょうか
本書では、勉強とはどういうものなのか、森博嗣さんの考えを知ることができます。勉強のやる気を出させるための自己啓発書ではありません
最終的な結論は、勉強はした方が良い、ということになりますが、それは何故なのかを答えることは単純な話ではありません
義務教育における勉強は、「知りたい」「やってみたい」を追求するための基礎・前提であり、その勉強自体は訓練に近いものだ、という考えには納得しました。無条件に勉強を賛美するよりも健全な視点ではないでしょうか。例えば、知りたいことが出てきたときに、文章を正しく理解する力がなかったら、四則計算ができてなかったら、英語が読めなかったら、そこから進める範囲はかなり限られてしまいます
知らないことを知ることが成長ではなく、自分なりの考えを持つ能力こそが、人間の価値だといえる。勉強とは、自分の価値をためるための行為なのだ。
単に知識を増やすことが目的ではありません。勉強自体を目的にするとこの罠に放ってしまうような気がします
自分が話すにしても、TVで見たこと、誰かから聞いたことを、そのままコピィしてアウトプットしているだけだ。自分なりの簡単な「感想」として「ちょっとねえ」くらいの曖昧なコメントが付け加えられる程度。これらは、すべて「反応」である。
この部分は読んでいて思い当たるところがありました。流れてくる情報をコピペして、自分の好き嫌い程度の判断していない「反応」ばかりしてしまっています
それは本を読むことにも通ずるように思います。情報を眺めていても知っていることが増えるだけ(場合によっては記憶にも残らないことも)で、自分の価値を高めるには至っていません
ではどうすれば良いのか、答えはないままモヤモヤしながら、それでも本を読み続けています