稲刈りしました【4期目】
いきなり話が飛んでしまいますが、今年の弊社の酒造りは10月1日から始まりまして、今月中には6本ほど醪をたてることができそうです。
美味しいお酒をつくるためには適切な環境や技術などが必要ですが、お米の品質というのも酒質によく反映されます。お酒造りのスタンスとしては、お米の特徴に技術を当てはめていく、という感覚で日々良いお酒になるよう努めています。
では米の品質はどこで決まるのか?これは農家の方のさまざまな努力によるところ以上に、どうしても抗えない天候、特にお米の登熟期の気温によって品質が左右されるとされています。今年は8・9月と例年になく気温の高い日が続いたため、例年よりもお酒にしにくい米の品質になっている可能性が高そうです。
でもこんな年だからこそ技術者の技量が試されていると思うので、知恵や技術を絞り出して良いお酒を皆さんに届けれるよう頑張ります。
という前置きでしたが、果たして弊社のお米の出来はいかに。
稲刈り
今年圃場に入れた肥料は、田植え後の米糠だけだったこともあってか、例年よりも葉の色落ちが進んだ状態で稲刈りを迎えることができました。また昨年よりもそろって出穂してくれたので、より品質の良いものができたのでは、と期待しております。
ただ一方でこの地域も例に違わず8・9月は昨年よりも高温だったので、例年よりもお酒造りでの扱い易さに難があるかもしれません。また昨年よりも被害は少ないですが、今年も棚田の圃場の一部で倒伏が発生しました。稲の大きさを昨年と比べてみると、桿長は20cm弱短く育てることができ、一応倒伏しにくい基準値は満たしていました。予想になってしまいますが、原因は田植え前の均平作業で何度も土を寄せた箇所から倒伏していたようだったので、おそらく部分的に粒子の細かい土が集まって水捌けが悪くなり、またそのせいで土壌の還元化が進んだことで根が弱るなどしたかもしれません。『田植え前までが勝負』とはよく言ったもので、今年は妙に納得した一年でした。
収穫後の圃場には少々鶏糞を撒いて早めに耕運作業をおこないまして、春までしばしのお休みに入ります。今年もお世話になりました。