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生き物調査【4期目】


上の写真は田植えから6月下旬のものです。地主さんが植えたものですが、色とりどりに紫陽花が咲いております。この花の色は土壌pHによって決まると言われていますが、こうして俯瞰してみると、pHも均一ではないのだなぁと思ったりします。

羽化したアキアカネ

稲もスクスクと育っており、昨年よりも生育が揃って一安心です。6月下旬にはアキアカネも無事羽化してくれてホッとしています。

さて、今年も7月初旬に生き物調査をおこないました。今年の着目点は、米糠除草によって生き物へ悪影響があったかどうかです。

田植え後の米糠散布

米糠が分解される際に水中の酸素濃度が下がる

散布後圃場を見ていると、各所でオタマジャクシの死骸が見られたので、結構影響があったように感じましたがはてさて‥

調査結果

2023および2024年の生物調査結果

まず全体的な話ですが、どの圃場でも減少している生物種はありませんでした。また懸念していたカエルについてですが、意外にも2圃場に関しては昨年と同様の結果で、1圃場のみ減少していたという結果でした。また2圃場でコミズムシ属が減少し、1圃場で小さな貝類(モノアラガイ・ヒラマキミズマイマイ)が減少していました。

コミズムシ
モノアラガイ


以上のことから、どうやら米糠散布は必ずしも生物に影響を与えるわけではなさそうです。ただ圃場によってかなり減少している生物がいるという事実もあるので、弊社では注意しなければいけない手法ではあるかなと思っています。
また逆に増加した生き物もいまして、すべての圃場でゲンゴロウとカゲロウ目幼虫が増えました。ゲンゴロウに関しては水中で呼吸しないので水中が酸欠でもへっちゃらだったと思われます。カゲロウに関しては因果関係はよくわかりません。

コシマゲンゴロウ
ようやく増えてきた実感があって良い傾向
カゲロウ目幼虫
爆増は果たして良いことなのだろうか?

その他良い点

棚田圃場で準絶滅危惧種のマルタニシが増えていました。マルタニシは代かきなどのトラクター作業に弱く、無農薬栽培の都合上慣行栽培に比べて機械での攪拌の頻度が高くて心配していましたが、とりあえず安心しました。
また棚田圃場では新しい種も見つかりまして、

コガムシ幼虫

立派なアゴをもった大きい幼虫で、ゲンゴロウとは別の甲虫類として今後増えてきてくれたら嬉しいです。

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