ショート小説『仕事納め課 監査係』
「仕事納めって、やる気でないよなぁ」
「わかる。もう午後から頭はバカンス気分だよ」
「でも今日までのタスクがあるんだよな」
「うわぁ、それしんどいな」
僕は椅子にもたれかかり背伸びをする。「はぁ~」となんともやる気のない声が出ている。
早く家に帰りたいのか無意識に入口のドアを見ると、バンッと何かが破裂したような音と共に、真っ黒なスーツを着た男性が二人入ってきた。
きっちりとアイロンの掛けられたスーツに白いシャツ、地味な色のネクタイ、髪の毛は綺麗に整えられている。見るから