中小企業診断士とかばん持ち
診断士のかばん持ちって何?
既にかばん持ちという言葉も診断士界隈では死語になっているかもしれないですね。ベテランの仕事についていって、ヒアリングの議事録を取ったり、雑務をさせてもらって仕事のコツを覚えるというものです。
最近はあんまり聞かないですね。コロナでイベントがなかったので、そういうチャンスが減っちゃっているのも一つかもしれないですけど・・・
私は即独だったので、仕事も情報もコネクションもない中だったので、かばん持ちを沢山させて頂きました。
ただ、最近は色々な場所で案件や公募もありますし、独立してすぐに仕事がある環境なんで、かばん持ちをやらないといけないという必要性もないんだろうと思ったりします。
昔に大阪の診断士会で、一度公募での「かばん持ち制度」があったんですけど、結局、ベテラン診断士のメリットがないのと、負担が大きいことで供給側の問題、新人診断士にとってはお金にならないので、しんどくなるという需要側の問題もあって、続かなかったんですよね。
かばん持ちのメリット(新米診断士)
新米診断士にとってかばん持ちのメリットは沢山あると思います。
■プロのヒアリングの現場に立ち会える
ヒアリングの現場に立ち会うのはやっぱり一番大きいですね。ヒアリングの流れ・掘り下げを聞けるのはもちろんですが、事前準備や議題の作り方などを見ることができるのも役立つと思います。
私も事前準備をどこまでするか、ヒアリングのポイントなどについては山ほど参考にさせてもらいましたし、今でも活用しています。
■成果物を見ることができる
基本的に仕事の成果物は守秘義務があるので、その仕事に関係している人しか見ることができません。(コンサルファームに所属すれば別)
ただ、かばん持ちをすれば成果物を見ることができます。フォーマット面、提言内容などは自分のレベル感との差を感じたり、他の人が気にするポイントを知ることができるのはとても参考になります。
複数の診断士のかばん持ちをすれば、注意するポイントや成果物自体が違うことを実感できるのも凄いメリットになるんですけどね。
■ベテラン診断士とのコネクションができる
ベテラン診断士は仕事だったり、コネクションを持っています。ベテラン診断士に知ってもらうことで、各種公募などで有利になることも実際はあると思います。どうしたって知っている人を選びますからね。(マイナスに働く場合ももちろんありますけど・・・)
仕事を紹介してもらえる場合もありますし。他の診断士に紹介してもらうことで、間接的に仕事を頂ける場合もあります。
実際、自分もかばん持ちをきっかけに沢山の先輩診断士に紹介頂きましたし、お仕事も頂くことができました。
かばん持ちのメリット(ベテラン診断士)
ベテラン診断士にもメリットはやっぱりあります。
■単純に一人じゃない方が楽しい
ある程度の期間をやっていくと一人でやるのは気持ち的にしんどくなってきます。(少なくとも自分は)
飽きが出てきたり、頑張る理由がわからなくなったりも。
他の人と話をするのは楽しいですし、やっぱり診断士はコミュニケーションが好きなんだと思います。新米の人と一緒にどういう流れで仕事をしたらいいかと考えるのも楽しいです。
自分が昔どうだったかということを思い出しながら、自分の成長度合いを確認するのも楽しさの一つです。
■面倒くさい仕事を頼める
やっぱり、手間がかかる単純作業が面倒になる部分もあります。データ入力とか、できるなら他の人にお願いしたくなっちゃいます。
この辺りをかばん持ちの人にやってもらえるのはメリットです。データ入力をすると会社のことがとてもわかりますし、大事なことではあるので、新米診断士は特にやっておいた方がいいことだったりします。(面倒なのは間違いないですけど・・・)
■新しい人の状況を知れる。
新しく診断士となる人たちの情報を得られるのもありがたかったりします。勉強のトレンドだったり、どういうことに興味を持っているのかなんて言うのを知ることができるのは色々なことの参考になります。
新しい人が知っている内容で、自分が知らないことを学ぶこともありますし、新しい人がどういうことを知らないのかに気づけるのもありがたいです。
■かばん持ちのデメリット
ただ、メリットだけではないですよね。
かばん持ちはお金にはならないので、どちらにも負担になります。新米診断士が戦力になる範囲は非常に限られていますし。
許可手続きも難しいです。案件によっては連れて行ってもいいかの許可を取るのも面倒ですし、顧問先に途中から行くのも難しいですしね。
スケジュールも独立したばかりでガラガラならいいですけど、そうでなければ、合わせるのも難しかったり、仕事が遅くなる場合もあります。
ベテランの人によっては仕事のノウハウが奪われるという人もいるかもしれません。(簡単に奪われるノウハウではないはずですが・・・)
■それでもかばん持ちをやった方がいい
私は10人以上のベテラン診断士のかばん持ちもしましたし、10人ぐらいにはかばん持ちをしてもらっています。
かばん持ちをしてくれた方にアンケートを取ったわけではないですし、立場上変なことは言えないだろうと思いますが、基本的には良かったと言ってもらっています。
補助金の下請けをさせてくれる人ならたくさんいると思いますが、コンサル支援の現場のかばん持ちに受け入れてくれるベテラン診断士は結構少ないと思います。
運の要素が強いですが、コンサルで生計を立てている人を探してアプローチしていくのも一つのポイントなのかもしれません。(個人的な肌感では再生支援をやっている人が一番かばん持ちをさせてくれるように思います。)
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