ヒジの痛み
今回は、
「肘」
について書いてみます。
肘は、
上腕骨+橈骨+尺骨
から構成される関節です。
肘の内側には、
手の指で物を掴むために
使われる筋肉の付着部
肘の外側には、
手の指を伸ばすために
使われる筋肉の付着部
が存在する。
使いすぎたりすると
「腱鞘炎」
を起こしやすい部位です。
関節を補強する靭帯は、
①内側側副靭帯
②外側側副靭帯
③橈骨輪状靭帯
が存在します。
成長期に
スポーツで痛めやすい部位ですので、
野球肘、
テニス肘、
ゴルフ肘
などの症状を引き起こします。
肘に発生する症状としては、
①打撲
②捻挫
③炎症
④脱臼
⑤骨折
それぞれの傷病名がついております。
治療方法には、
①整復法
②固定法
③後療法
に区分される。
これらの治療プログラムば、
以下のようなカテゴリーに分類されます。
[整復法]
(1)上腕骨と尺骨の調整
(2)上腕骨と橈骨の調整
(3)尺骨と橈骨の調整
(4)構成筋肉の調整
(5)補強靭帯の調整
(6)構成軟部組織の調整
[固定法]
(1)包帯固定
(2)ギプス固定
(3)副子固定
(厚紙、添え木、プラスチック、
金属などのシーネ)
(4)テーピング固定
(5)装具固定
[後療法]
(1)電気療法
(2)温熱療法
(3)マッサージ療法
(4)器具によるトレーニング
などに分かれます。
これらの治療手順が
基本となっております。
実際に、
これらの治療で治るケースは、
「限られた症状のみ」
になります。
肘という関節は、
腕を動かす時に、
様々な力学的ストレスに影響されます。
だから、
「複合的損傷が多い」
のが実情です。
1つの症状につき1つの治療では、
追い切れないので、
治療方法も、
臨機応変に、
複合的方法を使う必要があります。
①骨格からアプローチ
②筋肉からアプローチ
③神経からアプローチ
④経絡からアプローチ
これら4つを統合した治療を
数多くの治療家が
得意分野を活かしながら、
治療プログラムを作り上げている。
私の場合、
筋肉から骨格にアプローチする
治療パターンが
治療成績が良いようです。
指先の筋肉から触診し、
緊張している筋肉の原因を取り除き、
次に
手首の手根骨と橈骨のバランス状態を触診し、
動きの悪いジョイント部分を調整し、
最後に
橈骨と尺骨と骨間膜のバランス
を調整します。
この3つの調整を行うと
約8割の症状が改善されるようです。
しかし、
骨粗しょう症、
リュウマチ、
フォルクマン拘縮など
発症されたクライアントには、
神経から筋肉へのアプローチの方が、
良い治療成績が得られました。
無理に骨格バランスを調整すると
機能的に悪化させる傾向が多かったです。
「人間の体は、
構造によって
機能が支配されている。」
というスティル理論は的を得ているようですね。