「鬼殺し向かい飛車」殺しと、鬼殺し向かい飛車の正しい定跡

今回は鬼殺し向かい飛車。

これが鬼殺し向かい飛車の基本図。
先手は角の両成りがあり、後手は香車取りがある。
香車はタダで取らせるわけにはいかないので、一度かわす(馬が中央に戻りにくい位置で取らせる)。

そしてここで ▽42飛車として、 端で馬を成らせるのが「かつての」定跡だったそうだ。「島ノート」に載っている手順らしい。
角成りはいつでもできるから、ということらしいのだが、
実はこの手は疑問手で、この手は先手にハメられてしまう。

▲78金! これは元奨youtuberほっしー の研究動画にも取り上げられた手。
馬が成ると、なんと▲88金 で、馬が閉じ込められてしまう。

これが必殺の「鬼殺し向かい飛車」殺しだ。

というわけで、▽42飛 は疑問手。
ここでの正着は ▽99角成 と、角が成り込む手。空成りだが最善手だ。
桂馬を取られないように、▲78銀。
ここまで決めてから、▽42飛 として、▲83角成、▽98馬。

ここからさらにソフトで読み込ませると、
▲46歩、▽85香(なぜ 82香 じゃないのか…?同馬とされるのを嫌ったか?)、▲56馬、▽87香不成、▲同銀、▽同馬。

▲66馬 と香車取りをみせ、▽78銀、▲68金、▽89銀不成。
そして ▲88香車! と 馬取りにすれば、
かまわず ▽88飛車! と飛車回り。

▲87香、▽同飛成り、▲88歩、▽98龍、▲45歩 と桂馬を取る。

ここまで評価値的にはほぼ互角(後手振り飛車はいつも通り若干低いのだが、これは仕方ない)。
ただし、先手居飛車は壁駒、龍が敵陣にいることから、人間的には後手がさしやすいのではないだろうか。

いかがだっただろうか。
鬼殺し向かい飛車は、評価値的には低く出るみたいなので、「終わった戦法」あつかいされがちなのだが、この手順でいけば結構やれると思う。
振り飛車側はほとんど一直線なので、ぜひ覚えておきたい。
私も鬼殺し向かい飛車は、「評価値低い」と聞いてから指すのをやめたので、今度機会があったらやってみたいと思う。

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