右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車 仕掛けの部分を研究
今回は、右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車を研究。
覚えるべき急所を解説したい。
43銀型でカウンター主体の四間飛車は以前研究したのだが、
腰掛銀型四間飛車の場合は、どのような変化の違いがあるのかみてみたい。
まずは基本図。四間飛車が後手。
よくある局面だ。
ここで右四間飛車を受ける際の、四間飛車側のポイントを2つ述べたい。
1)▽42飛車の飛車ぶつけを残しておくため、52金を維持する本美濃囲いで戦う。
居飛車が▲77角などで仕掛けを見送り手待ちをしてきた場合、四間飛車は高美濃よりも▽63銀右~▽72金の木村美濃のほうがよい。
2)▽74歩はできるだけ突かず後回しにする。
どうやら、▽74歩と桂馬跳ねの余地をつくるとスキになるらしい。解析して気づいたことの一つで、詳しい理由はよくわからないのだが…。(▲65歩とすると角のラインが開くからだろうか?)
とにかく後回しにした方が無難だと思う。
相手が手待ちしてきたら、本美濃から木村美濃に組み替え、さらにそのあとに▽74歩とするのがいいだろう。
ということで、ポイントを押さえたところで、定跡を解説したい。
さっそく▲25桂馬の攻めには、▽22角と引く。
▲45歩に、ここは▽同歩! と取るのが最善。
「43銀型四間飛車」の場合はカウンター主体なので、ここは▽同歩とできず、飛車先の歩を取り込ませて、▽24歩で桂馬を取りにいくのが正着だった。
ここは間違えないように気を付けたい。
なお、▽45同歩が最善なのは「▽73歩型」の場合で、「▽74歩型」の腰掛銀四間飛車、かつ、居飛車▲88角の場合、
▽同歩ではなく、▽24歩で桂馬を取りにいくのが最善手だった。
▽84桂馬が銀・角の両取りになるからだ(参考図)
これはこれで覚えておきたい筋である。
またややこしいことに、腰掛銀四間飛車 でも 対「右四間飛車・舟囲い」の場合は、振り飛車は▽45同歩とできず、▽24歩で桂馬を取りにいくのが最善手の定跡になる。(舟囲い参考図)
これの定跡は石川泰さんの動画に詳しい。
▽45同歩とできない理由は、11の香車が12に逃げてないので、角のラインの攻めが刺さるからのようだ。
なお、右四間飛車に対して ▽45同歩のところを、▽45同銀とすると、銀交換のうえに角交換となって持ち駒が銀・角になるため、右四間飛車の角のラインの攻めが決まってしまい不利になるので注意。(参考図)
さて、本譜定跡に戻ると、
▲22角成、▽同飛、▲45銀。
あらかじめ振り飛車は▽12香で角のラインを避けてるので、居飛車は角打ちがぬるい手になる。
ここで▽42飛と戻って飛車ぶつけに対し、
居飛車の最善手は▲54銀! と腰掛銀を取る手。
エルモは美濃と同じく横からの攻めに固いので、飛車交換してこいの手だ。
ここで▲44歩と飛車交換を拒否して位を取ろうとすると、▽37角から馬を作られ、飛車をいじめられて居飛車が悪くなるようだ。25の桂馬もとられそうになるし。(参考図)
ということで、右四間飛車エルモは▲54銀が最善だと覚えておきたい。
以下、▽48飛車成、▲同金、▽54歩。
▲48飛の桂馬取り、▽55角の香車取り、が最善の進行。
これでここまで互角だ。
また上級編としては、仕掛けの段階で右四間飛車エルモは、
▲77角と上がって手待ちをすることで、四間飛車側に本美濃からの(木村美濃か高美濃への)組み換えの強要や、▽74歩とさせてスキを作らせるなどの工夫をするといいようだ。
▲77角のほかには、▲41飛 の手待ちもあるが、
▲77角の方が先ほどの▽84桂馬が銀・角の両取りを避ける意味でも価値が高い。
いかがだっただろうか。
右四間飛車エルモの仕掛けの急所を勘違いせずに覚えて、中盤を乗り切っていきたい。
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