角換わり棒銀とその受け 「▽54角」編
『1手ずつ解説する角換わり棒銀』(真田圭一)より、前回に続いて角換わり棒銀定跡。
前回 ※角換わり棒銀とその受け 「端歩受け」編
角換わり棒銀で有名な定跡、▽54角をめぐる攻防をみていく。
後手はやはり、前回と同じく早繰り銀の73銀型だ。
あえて先手の棒銀を▲15銀と出させてから▽54角 と打つのがこの定跡。棒銀の飛車先を角で狙う。
これには▲38角がセットの手。
そして、▽44歩(図)と角の可動域を広げる手もセット。(ただし、ここでのソフト最善は▽22銀だった)
ここで先手は▲46歩と角のラインを通す手も有力だが、棒銀で攻める手をみてみたい。(ソフトの最善は棒銀)。
▲24歩、▽同歩、▲同銀、▽同銀、▲同飛、▽33金!(図)
54角が21に紐ついているため、飛車が成り込めない!という有名な定跡。
飛車は下がるしかなく▲28飛。(ソフト最善は▲26飛)
飛車いじめの▽27歩。
これに▲同角は、▽22飛車回りで、先手の角がサンドイッチになり負担になってしまう。
よって一目▲27同飛 に、▽同角、▲同角、▽22飛、▲28歩。
これが本書に載っている▽54角の定跡で、この定跡の進行は、やや後手が差しやすいようだ。
なお▲27同飛のところは、ソフト最善は▲同角で、
▽22飛に▲38銀(図)と、がっしり受けるのがいいらしい。
▲28飛でなく、ソフト最善の▲26飛をみてみよう。
以下▽35銀、▲25飛、▽24歩、▲28飛、▽22飛、▲26歩(図)。
この方が、先ほどと比べて、後手が銀を手放している分だけ、先手もやれるのかもしれない。
後手は2筋からはこれ以上動けないので、8筋に戻してくる。
先手も後手も玉を固めてこれからのようだ。
玉型の固い分、互角ながら人間的には先手持ちか?といったところだろうか。
いかがだっただろうか。
これでとりあえず角換わり棒銀の定跡解説は終わる。
角換わり棒銀の攻めにも受けにも役立ててもらいたいと思う。
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