世界一わかりやすい!?  藤井システム 対 55角急戦 

今回は、 藤井システム(先手) 対 55角急戦。
藤井システムを私は良く指すのだが、春日部将棋道場で高段者相手に指してみたら、55角急戦をやってきた。
この高段者いわく、「藤井システムに穴熊だと、一方的に攻められてしまうから、アマ高段者ほど急戦を好む」とのこと。
ということで、しっかり序盤対策しておきたい。

まずは、下図が 55角急戦の基本図

これには、▲47銀 と、銀で受けるのが定跡。
▲47金と形よく高美濃にしてしまうと、▽64銀から急戦にされてしまい、左辺に金がいなくなってしまったので、振り飛車苦労する展開になる(参考図)。

参考図

さて、居飛車が▽22玉 と自然に指してきた場合、
55角がこちらを睨んでいて邪魔なので、この角をどかすのだが、これには ▲56銀 と出るのが正着。

▲56歩だと、玉のコビンが開いて危険&銀の進出ができないので、やや疑問手となる。
それに対して、後手角はどこに引くか、だが、
1)▽33角 (相手の銀が上ずったので、こちらだけ穴熊に組む可能性を残す狙い)
2)▽73角 
がある。

まずは  1)▽33角 をみてみよう。

これには ▲45銀 と、玉頭銀で角頭を攻める。
そのため、振り飛車はまだ角道を開けてはいけない(角交換されてしまうので)。

こうなると居飛車は、角を22に逃がさないといけないので、▽32玉とするしかなく(▽12玉 は端攻めが危険)、手損になり、玉を寄ったのが疑問判定になってしまった。
居飛車は 32玉のまま、▽94歩 などと様子をみるのが最善のようだ。

次に 2)▽73角 をみてみよう。
▽73角 は、ソフトの最善手だ。
玉は前述の理由から、32玉のままで角筋に入っていない。

これはソフトで検討したところ、どうやら両者とも下図のように
ミレニアム に組むのが最善のようだ。

やっぱり、角のラインを避けたミレニアムは、藤井システムには最強なのだろうか。
「だったら、初めから55角じゃなくてミレニアム組んでりゃいいじゃん」とは言ってはいけない…(苦笑)

また、▲47銀 に対して、「あくまで急戦!」と ▽64銀 で挑んでくる場合もある。

この場合は、角頭も守るために▲56銀 ではなく ▲56歩で角を追い返す。
そのあと、 ▲65歩 で銀も追い返し、

▽77角成りの角交換に、振り飛車は飛車先を受けるために向かい飛車に回る。

そのあと振り飛車は木村美濃に、居飛車は金無双から玉を固めて一局の将棋だろう。


いかがだっただろうか。
なお、余談としては、ソフトは55角急戦を最善だとはみなしてないようで、藤井システムには、 ▽64銀から 斜め棒銀の急戦 が最善と言っている。

とはいえ、藤井システムを指す限りは、55角急戦に当たることも多いはず。しっかり準備しておきたいものである。

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