右四間飛車 対 腰掛銀型・四間飛車 の決定版? 藤倉先生の四間飛車の3筋攻めを研究
右四間飛車エルモ 対 腰掛銀型・四間飛車 の研究記事を前回書いた。
それで、右四間飛車の他の研究動画を見ていたら、
藤倉先生による、右四間飛車・舟囲い 対 腰掛銀型四間飛車の動画を発見。以前1度見たのだが、すっかり忘れてた。
興味深かったので、ソフトによる独自研究もまじえて紹介してみたい。
右四間飛車が先手。基本図
居飛車が舟囲いなので、振り飛車はまだ▽64歩が突いてない。
▲25桂には、例によって▽22角と引く。
昔は▽24角出が多かったらしいが、ソフトの影響等で引くのが主流になったっぽい。
そして 右四間飛車の▲45歩の開戦に、振り飛車が▽35歩!
振り飛車は、がら空きの3筋から攻めようという作戦だ。
とはいえ実はこの手自体は、解析すると疑問手らしい。
なのだが、この後の変化は振り飛車が結構わかりやすく、居飛車もこの手の対策をしてる人はあまりいないだろうから、振り飛車が結構指せるのかもしれない。
みてみよう。
▽35歩、▲同歩、▽32飛。 飛車が成られそうなので ▲38飛と受ける。
そこで桂馬を取りにいく▽24歩、
居飛車は、振り飛車の角を負担にしたいので、角筋を閉じる ▲44歩。
(ここでのソフト最善は▲34歩と攻める手だった。あとでこちらも解説する)
▽25歩、に ▽46桂の両取りをかわす ▲68金。箱入り娘の堅陣にする。
なお、ここでのソフトの最善手は代えて ▲34歩の攻めだったのだが、さすがにアマチュアでは桂馬の両取りをくらったら敗勢だと思う…。
ここで振り飛車は駒得した桂馬を使う▽64桂 という手がなかなかに厳しい。
居飛車は 「両取り逃げるべからず」で、と金を作られないように▲25歩だが、▽74桂と銀を取らずに、角・金両取りに跳ねて、やや振り飛車ペース。
というわけで、▲44歩に代えて▲34歩 の最善手以降をみてみる。
「角道の遮断は、▽45歩とされたら▲44歩打ちで遮断すればいい」という発想の手だ。
▽25歩、に ▽46桂の両取りをかわす ▲35飛。
3筋で攻める&▲25飛回りをみせた手だ。
▽45歩に、▲44歩で角筋遮断。
先ほどみせた▽64桂(銀取り)に、▲25飛回り。
ここで振り飛車は桂馬跳ねを急がずに、▽46歩と、じっと と金作りを狙う手がいい手。
以下、▲23飛成、▽42飛、▲12龍、▽44角、
▲22龍、▽56桂、▲33歩成、
▽22角成、▲同玉、▽45飛、▲56歩。
居飛車は龍ができたが、振り飛車の方は固く、次のと金作りが 金に当たるので、振り飛車がやや指せるか互角くらいか?
振り飛車としても3筋から動くのはわかりやすいので、この戦法を選ぶ価値は結構あると思う。
では、舟囲い以外の右四間飛車には、この3筋攻めの四間飛車はどうなのだろうか?
対 右四間飛車エルモには、解析してみたところ、振り飛車は互角にいけるようだ。(対エルモ参考図1)
先ほどの舟囲いとの違いは、エルモ囲いが固いこと、
そして▽64歩が突いてあるので、▽64桂が打てず、▽84桂打ちが候補になること だろう。
居飛車は、桂馬損してるので、▲36飛~のちの▲26飛回りを狙う(対エルモ参考図1)、
角交換はできるだけぜずに、振り飛車の角を負担とさせ、▲24歩打ちからと金作りで飛車・角を狙う、などの方針でいくのだろう。
逆に振り飛車は、▽84桂打ちから桂馬跳ねの角・銀両取りをみせて、居飛車も両取りは食らえないので、▲44角とさせることで、▽同角で振り飛車の角をさばいて、相手の飛車をいじめにいくようだ(対エルモ参考図2)。
なお、ここから最善手を尽くせば千日手のようだが、この変化は難解なので、ここは互角、ということにしたい。
また、居飛車が右四間飛車左美濃の場合は、エルモ囲いに組むよりもさらに手数がかかるので、振り飛車は待っていると木村美濃に組み替えになってしまう。(対左美濃参考図)
振り飛車は、エルモに対しても左美濃に対しても、相手の囲いが固いと戦いが厳しくなるので、
待つよりも、美濃囲い腰掛銀ができたら先手を取って、▽35歩~▽32飛と揺さぶりをかけるのが一案だ。
▲78銀、▽32飛。
これには居飛車は▲45歩と開戦を急がずに、銀冠に組み替えていき持久戦にするのがソフトの推奨手。
もし振り飛車が▽36歩 で歩交換してきたら、▲47金~▲37金 で受けて、
▲38飛車回りから袖飛車棒金を見せつつ、自玉の囲いをを固めていくのがいいらしい。
それには振り飛車は、相手が玉を固めるために角道を閉じたのを見てから、▽33角~▽51角~▽73角と角を転換し、相手を揺さぶっていくようだ。
いかがだっただろうか。
今回は、対右四間飛車の、四間飛車の3筋からの仕掛けをみてみた。
振り飛車としては、カウンターだけでなく、柔軟に相手を揺さぶることができればうまくいくと思う。
使ったことのない戦法なので、今度ぜひ試してみたい。
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