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Nikon FM3Aは最高のMFフィルム一眼レフカメラだと思う。
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Nikon FM10を殆ど衝動的に元彼女の娘に買い与えると同時に自分用にも買って、カメラ回帰を果たした直後、Nikon FM3Aというカメラが未だ新品で買えることを知った。
FM10よりも高性能でしかも、FM10同様、完全機械式的にも使える。
が、現行品では無い。
即買いだ。
例によってAmazonで安く買えたが、いくらだったか覚えていない。
現在、中古価格で10万円以上するが、もっと安かったと思う。
Nikonのデジタルカメラ販売戦略として、一眼レフカメラではD f、ミラーレスカメラではZf、 Zfcと、デジタルカメラとしての性能を損なうことなく、フィルムMF一眼レフライクな機種をラインナップし、(Dfには動画機能無いけど)、それぞれ大成功をしている。
そのNikon MFフィルム一眼レフカメラのモデルとするカメラとして、FM2又はNEW FM2を紹介していることが殆どだ(外観は初期もNEWもダイヤル数字以外同じ)。たしかに、アイレベルファインダーの形状を見るとFM2っぽい。。
FM3Aを差し置いて、何故なんだろうと思う事しきりである。
まさか、Nikonの文字が縦とか斜めっていう理由じゃないよね?
そんなんゆうんやったら、初代Fまで遡らんかい!
個人的には初代Fアイレベルが一番カッコいいと思っています。
初代Fでも、取説表記は太字斜めのNikon。
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一番美しいカメラだと思う。FマウントレンズもFから始まった。
アイレベルファインダーのトンガリ具合をFM3Aは引き継いでいると思う。
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ちなみにDfも Zfも ZfcもFM2もFも持っていません。
欲しいのはFだけかなぁ。
⒈ 最大の特徴は1/4000秒までの機械制御式シャッターと絞り優先付き1/4000秒までの無段階電子制御式シャッターのハイブリッド。
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どちらでも1/4000秒の高速シャッターが切れるのは嬉しい。
機械式制御シャッターシリーズの FMシリーズと電子制御シャッターシリーズのFEシリーズのいいとこどりです。
FMシリーズは電池を露出計にしか使っていないので、電池が無くなっても、露出計以外のカメラとしての機能を失うことはありません。
FEシリーズは電子制御シャッターで、絞り優先シャッタースピードが選べる代わりに、電池が無くなったら、一部の緊急シャッタースピード以外のシャッターは切れません。
〜2000年代までに急速に電子基盤の性能が進みましたが、それでも、第一回noteに書いたように、電子回路の極低温下でのブラックアウト化はそういう環境で使いたい人にとっては深刻ですし、また、基盤自体の物理的信頼性の低さ、経年的劣化のリスク増大は大きいものであったため、「機械的機構の信頼性」は頼りになるものです。
特に古い中古品を買う場合には、その時代の電子基盤の信頼性の低さや経年劣化もポイントに入れておいてもいいのではないでしょうか?
それでも、電子制御化したい理由、それは制御の完璧さを目指せるという事に他なりません。
段階的な変数の入力には直感的な分かりやすさというものがあります。
シャッタースピードのダイヤル、絞り環の表示などは、シャッタースピードは倍数化、絞り環表示は入光量の倍数になっているため、露光を勉強した者にとっては、感覚的に分かりやすい表示となっています。
が、演算する場合は、変数が無段階に近ければ近いほど、正確な結果に結びつきます。
露出計は段階的なシャッタースピードと絞りf値の組み合わせを表示しますが、状況によってはどっちつかずの組み合わせを表示します。
で、近い数値の組み合わせをするのですが、絞り優先の場合、ダイヤル表示段階にこだわる必要がないので、より細かいシャッタースピードを指示する事ができます。
つまりは絞り優先Aではシャッタースピードダイヤルの数値外の細かい適正な露出が可能ということです。
もちろん、シャッタースピードやf値を自分で設定する満足感、故意に露出をずらしたり、更に露出補正をして適正露出を得る楽しさというのも醍醐味の一つだと思います。
それに、デジタル化による各変数の設定幅が増えた現在では、ISOオートにして入光量(f値)とシャッタースピードを任意に設定して、適正な露出を得られつつ、被写界深度の深さをコントロール、更にWBやフィルターで演算を乗せて、自由な作品作りを得られるようになったので、ISOが固定されるフィルムカメラでは、絞り優先Aなど野暮な事をせず、敢えて露出を外すといった操作の結果を楽しむ方がいいのかもしれません。
私は露出の適否がシビアなフィルムカメラしか持っていないので、上記のような設定できるデジタル機っていいなぁ と思いつつ、対象によって、例えば動くモノはシャッタースピードは速くしつつ、被写界深度を浅くするのが好きな対象に対しては、出来るだけf値を小さくして、表示数値では適正露出がびったし来ない時は、絞り優先Aを使ったりします。
あ、飛んでる鳥とか、対象の移動によって光量が変化しちゃう場合も。
そういう時は1/4000秒の高速シャッターは頼りになります。
Nikon F、ライカM3、バラナックⅲbは1/1000秒まで。
Nikon FM10は1/2000秒まで。
⒉ 露出計は分かりやすい指針式。f値も光学的に確認出来る。AEロックもあるぞ。
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針が適正露出のときのSS。青いのがダイヤル表示のSS。
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私がカメラ内蔵型露出計を搭載している機種で気にしているのが、露出計の表示です。
好きなのはFM3A式の指針式。
FM10のようなLED式だと、付近に行くまでLEDは点灯せず、感覚が狂うと、絞りやシャッタースピードダイヤルを延々と操作するはめになります。また、割り切っているのか、本当に適正な露出とびったしなのかは、わかりません。
指針式の場合、適正露出のf値とSSが分かり、現在の設定がどれだけズレているのかも分かるので、SSを変更するのかf値を変更するのか、あるいは両方とも変更するのかを差分も含めて一瞬で決断できます。
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FM3Aには露出計ロックするAE-Lボタンがあります。
FM3Aの露出計は中央を測光しているので、逆光時や撮影対象が中央になく周りと反射率が異なる時で、絞り優先Aの時、撮影対象を一旦中央にして測光後、AE-Lボタンを押しておくと、構図を変えても指針も変わらず適正シャッタースピードに設定してくれます。
⒊ Nikon FM3Aには多重露光レバーがついてる(FM10と一緒)。露出補正も出来る(FM10には無い。)
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Nikon FM10と同じくNikon FM3Aにも同位置に多重露光レバーがあります。
多重露光レバーがどういうメーカーのどういう機種にあるのが一般的なのか知りませんが、多重露光レバーのないペンタックスLXで多重露光撮影をする場合は、フィルムを巻き上げた後にコマ分だけフィルム巻き戻しクランクで戻していたので、便利です。
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撮影:ささじあきひで
多重露光撮影する場合には、再度撮影時に回数に応じた露出補正をかけるのが一般的ですが、FM10には露出補正ダイヤルがありません。 FM 3Aにはあります。
多重露光撮影じゃなくても、露出補正ダイヤルがあると、あるべきものが全部揃ったなって気になります。
細かい露出補正は適正露出の早道です。
フィルムによっては、この露出補正が色彩に「効く」場合も往々にしてあります。
ちなみにFM 2シリーズには露出補正が無くて、FE 2シリーズにはあるようです。
⒋ 要らない先端技術? ISO DX。
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画像はKodak Professional EKTACHROME Color Reversal Film E100が装填されている様子。
E100・36とある。
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Nikon FM3Aには露出を決定するのに大切な第3の変数、フィルムのISO感度を設定するところに、フィルムパトローネのDXコード(バーコード)を読み取り、適正値に設定するDXモードがあります。
フィルム感度は基本的にフィルムを交換するまで、変更しません。
裏蓋には小窓があって、どんなフィルムを入れているのかが、分かるようになっています。
FM3A以前の機種では裏蓋にフィルム箱の一部を挟んでおく所がありましたが、どこかいっちゃうし、悪天候で使用すると、紙グチャグチャになるし、フィルム入れる時に真面目に紙挟むかどうかも怪しいので、直接フィルムパトローネを見れるこの小窓は大発明です。
で、うっかりISO感度設定をフィルム入れる前に忘れても、確認して設定できます。
感度の幅こそ小さいですが、フィルムにおけるISO感度の重要性はデジタルのそれと比較になりません。うっかりすれば、一本丸々真っ黒か真っ色になります。
とはいえです。小窓で分かるんだし、昔はともかく、今は感度の種類も少ない。
モータードライブであっという間に、一本消費しても、次に同じ状況で感度変えるなんてあるかな? 夕方とか山とか明るさが刻一刻と変わって感度上げたいときはあるかぁ。レアなケースです。
要らない先端技術だよなぁ。
と思っていました。
この項を書くその時まではです。
ふと、手持ちのフィルムでDXコードを比べてみました。
同じISO 100だ。
手動なら両方とも100に設定する場面です。
DXコード、微妙に違うやないかーい!
フジフィルムの白黒とコダックのカラーリバーサルの違いはあるけど。
やったことないけど、もしかしてフィルムの種類とかメーカーで裏設定があって、ISO感度設定もちょっとズラしたりするんだろうか?
あの、不要に思えるISO感度の小刻みなステップはそのためなんだろうか?
これからDXモードにしてみる。劇的に色彩とか変わったりして。
ドキドキです。
ロモグラフのフィルムはDX非対応でした。
気をつけよう。
このドキドキ、露出におけるフィルム感度の重要性を知ったとき以来のドキドキです。
新鮮。
⒌ 前面のレバーとか。
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下にあるのがレンズ取外しボタン。
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レンズマウントにあるのが絞り込みレバー。下がセルフタイマー。
ミラーアップは無い。
ささっと流します。
左側には露出計スイッチがあります。
が、シャッターボタン半押しでもONになるので、これこそ必要ないと思います。
いつ、使うんだろう。ちなみにFM10にもあります。
右には絞り込みレバーはありますが、ミラーアップ機能はありません。FM10も同様。
ミラーアップはシャッター音軽減に役立つので付けて欲しかったなぁ。
これだけが、本当に無念。
虫は一眼レフの壮大なミラー音で逃げるんです。
どうでしょう?
信頼性のある機械式高速シャッターに指針式露出計、露出補正有り。
まるで、フィルムMF一眼レフカメラはNEW FM2かFE2と言わんばかりですが、どちらかにはあるが、どちらかには無いと言うジレンマを解消した、最後の集大成としてFM3Aがあるんです。
それでは、次回ではアクセサリーやFM10とも比較して、Nikon FM3Aの魅力を更に掘り下げていきましょうかね!