「認知症マフ」で「ひと」つながる
令和3年2月20日に「認知症マフ オンライン・ワークショップ」が開催されました。
みなさん「認知症マフ」をご存じですか?
イギリスの病院や高齢者施設では、両手を入れることができる毛糸で編まれた筒状のニット製品が広まっているようです。この製品は、「Twiddle muff(トゥイドゥルマフ)」と呼ばれています。
「トゥイドゥル」は英語で「(手で)いじる」という意味で、「マフ」は「防寒具」という意味です。カラフルな毛糸を使い内側にはボタン、リボンやボンボンなどのアクセサリーが縫い付けられています。
マフに手を入れてみると、とても暖かく安心感が得られるそうです。また認知症の方は手元が落ち着かず、何かに触れていると気持ちが安心するという傾向があるので、マフの内側に付けられたアクセサリーに触れることで気持ちが安定する効果も期待されています。
イギリスでは、各地の病院や認知症カフェなどでこのマフを利用されており、ボランティア団体などが地域住民を巻き込み製作しているそうです。さらに、病院などでは、認知症患者の点滴をする際、状況が把握できず点滴の針を抜こうとする患者にマフを使ってもらい、気持ちが安定した状態で施術ができるように使用することもあるそうです。
マフの製作にあたって、認知症の方に配るだけが目的ではありません。できるだけご本人やご家族、そして地域の人々が繋がり、少しでも認知症やご本人への理解が深まるようにと願いが込められています。
その「認知症マフ」を全国に普及しようと朝日新聞厚生文化事業団からお話をいただき活動を開始したのが、「認知症サポートグループ だんだん」です。
「府中町認知症サポート養成講座」を受講した方の中で「もっと認知症について知りたい」「身近にいらっしゃるのであれば寄り添い役に立ちたい」との思いで立ち上がった結成11年のボランティアグループです。
主に、毎月1回認知症カフェを開催していましたが、平成29年4月「認知症カフェ開設助成金」活用時に朝日新聞厚生文化事業団より、イギリスの病院・施設等で利用されているマフについて知り、グループ内で情報共有したところ「やってみよう」と声があがり、検討を重ねて製作をスタートしました。毛糸やフリース素材を使ってマフ製作。出来上がったマフを「だんだんマフ」と名付け、府中町内の高齢者施設の利用者に手渡しました。
朝日新聞厚生文化事業団主催のもと、平成30年12月大阪にて、初めて「認知症マフ ワークショップ」を開催しました。続いて平成31年9月広島、同年10月大阪で「認知症マフワークショップ」を開催し、令和元年2月には、広島市安芸区にて「だんだんマフ ワークショップ」を「認知症サポートグループ だんだん」主催にて開催しました。
もちろん社会福祉協議会として、これからも、たくさんの方に「認知症マフ」の存在を知ってもらうための協力、普及に向けた活動を一緒に考えていきたいと思います。
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