0624/彼女は頭が悪いから
しんどい本だった。
ここ最近で読んだ中で、一番しんどい。
加害者側と被害者側、どんな環境で育ったのか、どうしてそう思うに至ったか。じわじわと「その日」まで観察していくような感覚だ。
「その日」の描写を読む頃には、しんどくなる。(彼女の痛みも、わからない彼らも)
「東大生だから」も「彼女は頭が悪いから」もどちらも想像力の欠如だろう。もしも、この本の終わりの方のように、彼女の痛みがわからないのだとしたならば(都合よく解釈すればわからなくなるのかもしれない)、ただの「事故」だとするのなら、フィクションを通して疑似体験をすればいい、と思った。そして「彼らは東大生だから」と馬鹿にされていることに赤面すればいい。
本当のことはわからない。
想像するしかない。
これをぐーっと読んでいて読み終わってやっと、ふっと顔を上げると「早く仕事が終わった日の過ごし方」に悩む夫が、突っ伏していた。
横になるとお腹の中でぐるぐると娘が動く。
傷つきやすくてもいいから、人の痛みがちゃんとわかる優しい子になってほしい、と願う。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?