スポーツビジネス事例集 7月のおすすめ10選【有観客試合が再開した各球団の施策紹介】
こんにちは。3人制プロバスケチームTOKYO DIME広報 山本と申します。
現在「スポーツ×SNS」をメインの業務領域としており、2月末から #スポビズSNSアンテナ という下記のようなnoteサークルを運用をしております。
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今回は、より多くの方にサークルの内容について知っていただき、サークルに加入して頂ければと思い、#スポビズSNSアンテナ で7月に紹介した31個のスポーツビジネス最新事例の中から、おすすめ事例10選をご紹介します!
7月における各チームの施策傾向は3つ
①有観客試合再開に伴うスタジアムの新エリアや新グルメのデビュー
②リアル(球場)とWebを融合した施策の実施
③新たな収入源としてのクラファン/オンラインサロン/投げ銭施策が引き続き人気
7月は、プロ野球/Jリーグの有観客試合の再開に伴う動きが多く見られました。ただ依然100%の動員は見込めないことからWebと連動した施策や、入場料に代わる収入源であるクラファンやサロンが人気を集めています。
では早速、スポーツビジネス最新事例を公開していきます!
①⚾【2020/7/3】横浜が選手食堂で提供している選手の「勝負飯」を商品化
まずは「選手と同じものを食べられる」という横浜の新メニュー
横浜DeNA 選手たちに愛された逸品「目玉チャーハン」がついに商品化!
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☑横浜スタジアムの選手食堂で長年愛された人気メニュー「目玉チャーハン」を、7月17日(金)から販売
☑往年の名選手たちが試合前に好んで注文した“勝負飯”として、横浜大洋ホエールズ時代から存在する選手食堂の人気メニューです。
☑価格は950円
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選手食堂で大洋ホエールズ時代から愛される「勝負飯」を商品化!
「選手が食べていたものと同じものを食べられる」という付加価値はとても高いですよね。
個人的には「選手プロデュースご飯」よりも需要がある気がするなあ。「選手と同じものを食べる」というのはいわゆる「誠意巡礼」的な感覚がありますよね。
目玉焼きが乗ったチャーハンはビールにもあい、人気が出そうですよね
②⚽【2020/7/7】ジュビロクラファンの返礼品が面白い!
各チームが実施するクラファンですが、ジュビロの「コト」返礼品がとてもユニークだったのでご紹介
「数億円規模の赤字見通し」磐田がクラファン実施へ、寄付“50万円”の返礼品は…
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☑ジュビロ磐田は7日、新型コロナウイルスに伴う経済的打撃を踏まえ、チーム・クラブ運営費の補填を目的としたクラウドファンディングを実施すると発表
☑「ホペイロ中島さんオリジナルデザイン限定Tシャツ」(1万円)、「あなたが12番として選手紹介に登場!」(15万円)、「ヤマハスタジアムで選手体験!」(50万円)などがユニークな商品が並ぶ
☑目標金額は2000万円。特設サイトは9日正午にオープンし、8月31日まで寄付を募る
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ジュビロ磐田が7/9からクラファンを開始。その背景には
・2020年3月期決算では、純損失が2億6千万円で11年ぶりに最終赤字
・そこからさらに入場料の見込みがたたず厳しい状況という背景が
「あなたが12番として選手紹介に登場!」(15万円)、「ヤマハスタジアムで選手体験!」(50万円)など、「選手体験」ができる「コト体験」が特徴ですね。これは他チームも参考になりそう
特に目玉リターンの一つ「あなたが12番として選手紹介に登場!」は15万円という高額コースであり、そのコースの支援者はチームの「ヒーロー」の一人だと思うので、選手紹介で12番の方の名前が呼ばれた時、声援や拍手が起きたら素敵だなあ、そうあって欲しいなあと思いました
8/1時点で既に達成済みですね!
③⚾【2020/7/11】千葉ロッテ マリンフェスタのリアル×webの融合が素晴らしい
リアルとwebを融合させた新しい試合イベントが誕生
7/12(日)『マリンフェスタ supported by リポビタンD』イベント情報第2弾!!
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☑明日7/12 西武戦で開催の「マリンフェスタ」毎年限定ユニ着用&配布などで盛り上がるが今年はオンラインの充実度が凄い
☑YouTubeにて試合前の11時から練習の様子やトークショーを生配信
☑試合時間は球団OBによる副音声解説
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今年で6年目になるという千葉ロッテマリーンズのイベント「マリンフェスタ」
有観客試合にはなったものの、観戦はオンラインがメインになるということで今年はYouTube企画の充実度が凄い
・選手トークショー
・練習配信
・テレビショッピング風配信
・スタメン発表配信
・副音声配信
など、リアルの試合をオンラインで更に盛り上がれるような企画が沢山
お家観戦でも「特別感」「お祭り感」を感じられとても良い企画だと思いました
そして、コロナ期にオンライン企画を積極実施した球団はこうやって有観客になっても新たな施策を出し続けられるんだなと感じました
④🏀【2020/7/13】川崎がオンラインサロンを開設。ファンクラブとのすみ分けは?
ファンクラブとのすみ分け/定義の仕方が非常にうまい川崎のクラファンのご紹介
オンラインサロン『THUNDERS‘ CLUB HOUSE』開設のお知らせ
https://kawasaki-bravethunders.com/lp/onlinesalon/
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☑川崎ブレイブサンダースがオンライン施策の一環として、選手と双方向的なコミュニケーションが取れるオンラインサロン『THUNDERS‘ CLUB HOUSE』を開設
☑月額は3,000円。Facebookのグループを利用7.24までの入会で初月無料
☑「選手とつながろう」「チームの日常を楽しもう」「コミュニティを築こう」がテーマ
☑コンテンツは、オンライン観戦会、選手へのQ&A・テーマトークの開催や、選手たちの日常がタイムラインに投稿される形
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オンラインサロンの開設した川崎。個人的には「ファンクラブ」とのすみ分けが気になっていましたが、うまいテーマ設定をしているなと感じました
川崎のオンラインサロンのテーマに沿って
ファンクラブ⇔オンラインサロン
の違いは何かと考えたときに
・クラブからのギブ中心(チケットやグッズ)⇔双方向性「選手と繋がろう」
・「試合」の楽しみの最大化(チケット早期予約など)⇔「日常」を楽しもう
・クラブとファンの繋がり⇔ファン同士の繋がり「コミュニティを築こう」
この3点があげられるのではないかなと思いました。
つまり、ファンクラブとオンラインサロンは別の価値を持っており共存できるなと。今後どのような発展を見せていくのかが楽しみです
⑤⚾【2020/7/15】DeNAが球場内にSNSフォトプリントサービス機を設置
球場で撮った写真にその場でフレームを付け現像し「リアル」にできるという施策
プロ野球界初「横浜DeNAベイスターズ」本拠地の横浜スタジアムにSNSフォトプリントサービス機『B☆MY FRAME by PhotoPR』が2020年7月17日(金)14:00からスタート
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☑横浜DeNAベイスターズが本拠地横浜スタジアム内にSNSフォトプリントサービス機を設置
☑携帯で撮影した写真を球団オリジナルのデザインフレームと組み合わせ、世界に1つだけのオリジナル写真が作れるというもの
☑値段は、ロゴ・スローガンフレーム 各200円(税込)マスコットキャラクターフレーム 各300円(税込)
☑リアル印刷&端末にも保存できSNS投稿も可能
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DeNAの新企画!自分の写真を球団オリジナルフォトフレーム入りで印刷できるようになるというもの。球場で撮った写真をその場で形にできるのはいいなと思いますし、携帯で撮った写真を印刷できるので、自分の好みの加工をできるのがいいですよね。また、携帯端末への保存もできSNSにも投稿できるので、製品の拡散にもなりそう
さらに、
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今後は、スペシャルイベント開催時限定のイベントフレームなどが新たに加わる予定となっており、スタジアムへの観戦記念として、世界に1つだけの写真を作ることができます。
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とあり、ファンとしては嬉しい「その試合にいた、あの伝説の試合にいたという証」にもなるのは良いなと思いました
⑥⚽【2020/7/18】サガン鳥栖が選手出演の有料生配信番組を開始
入場料以外でどう収入を得るか挑戦するサガン鳥栖の施策
Jリーグ・サガン鳥栖「CG活用」生配信番組スタート。スタジアム入場制限による多様な損失をカバー
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☑Jリーグ・サガン鳥栖は、動画配信サービス「SAGAN TO STREAM(サガントストリーム)」の有料配信を19日から開始すると発表
☑Jリーグのリーグ戦、カップ戦の試合翌日に、監督や選手をゲストに呼んで生配信し、視聴者はコメントを送ったり、アンケートに参加することができる。
☑第1回の有料配信は19日19時から、サガン鳥栖の人気選手で元日本代表のFW豊田陽平選手が登場する予定となっている。視聴チケットは1枚500円。
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試合翌日に選手が出演し相互交流ができる生配信を有料で行うサガン鳥栖の取り組み。
これ良い流れだと思います。これまであったInsta LiveやYoutube LIVEなどのファンとの相互交流企画はファンにとってはお金を払ってもやる参加したい企画だと思います。
アンケートやコメントで自分の大好きな選手が自身のことを認知してくれればそれだけでファンにとってはとても価値のあること
かつ試合翌日の振り返りも無料ではなく有料でやることで「荒れない」し、心のこもった叱咤激励が多くなり、ファンも選手も気持ちが良いと思います・
こういった企画どんどん続いて欲しいです。
いかに試合以外でマネタイズしていくかを考えるかが今後のスポーツクラブのカギになっていきますよね
⑦⚽【2020/7/19】横浜F・マリノスはOB副音声投げ銭配信で65万円の売上を記録
まだまだ投げ銭は伸びしろがありそうだなと思います
横浜LINEライブ、新企画で売り上げ過去最多記録
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☑7/18 横浜・マリノスがLINE LIVEにて生配信「F・マリノスデュアルスタジアム」の第4回目を実施
☑マリノスOBの波戸康広アンバサダーと栗原勇蔵クラブシップキャプテンがMCを務め試合を実況解説
☑ファンはLINE LIVE上でコメントやMCへの質問、投げ銭も可能
☑今回は4000ポイント以上(4,000円)の応援アイテム(有料スタンプ)を送った人に特別Tシャツをプレゼントする新企画を実施
☑1万7000人前後の視聴者を集め、約65万円の売上も記録
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マリノスがLINE LIVEで実施している副音声投げ銭企画。
第4回の昨日は、4,000ポイント以上の投げ銭でTシャツをプレゼントする企画も実施し過去最高の65万円を記録
イベント、Tシャツ詳細↓
https://www.f-marinos.com/news/category=2_id=7062
投げ銭の売上は入場料に匹敵する数字にはまだまだなっていませんが、様々な企画を実施しつつ「文化」として定着させ、新たな収入源にしていくことはとても大事ですよね。
また、今スタジアムでは声を出して応援できないので、現地の人の感情のはけ口としてもこういったリアルタイムチャット型配信は求められているかも
とにかく投げ銭企画は「文化」にするため一過性の話題で終わらず続いていってほしいなと思います
⑧⚾【2020/7/23】西武が本拠地西武ドームに新エリアオープン
「野球を観る」だけの楽しみが増える=滞在時間が伸びる
7月21日メットライフドームに新エリアオープン! 大型レストラン&8種のクラフトビールが登場
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☑7/21からの有観客試合での本拠地開幕に合わせ、新エリアを公開
☑三塁側には大型レストラン「グリーンフォレスト デリ&カフェ」がオープン。店内にはモニターも設置。試合は観たいけど、ゆっくり食事もしたいという人やファミリーにおすすめ
☑「ライオンズ チームストア 獅子ビル」もオープン。ここでは当日の練習の様子と試合中の写真を購入できる。その他クレーンゲーム機と獅子ビル限定ガチャガチャが設置
☑ライト芝生エリア後方にオープンしたのはテイクアウト専門店「CRAFT BEERS OF TRAIN PARK」。目玉は全8種類のクラフトビール
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西武ドームに新エリアが多数オープン
・ファミリー層
⇒広くてきれいなレストラン「グリーンフォレスト デリ&カフェ」
・コアファン層
⇒当日の写真も買える「ライオンズ チームストア 獅子ビル」
・ライト層
⇒8種類のクラフトビールが楽しめる「CRAFT BEERS OF TRAIN PARK」
と異なるターゲット層に刺さる業態のお店をオープンしているなという印象です。
こういった「野球を見る」以外の施設が充実すると滞在時間が増え、興行開催時に落ちるお金も大きくなっていくと思います
⑨⚾【2020/7/25】楽天が投げ銭&リアルタイムチャットサービス「Rakuten LIVE」を運営
楽天が独自で運営するLIVE配信サービスのご紹介
Rakuten LIVEで新しい応援体験、はじめよう!
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☑楽天が6月の開幕時より投げ銭、リアルタイムチャット、ベンチの様子の観戦が楽しめる「Rakuten LIVE」を運用中
☑映像としては、TVには映らないチアやマスコットの応援の様子、得点やホームランシーンで沸くベンチの選手、ヒロインの生中継を楽しめる
☑「頼むぞ。」メッセージタオル、ジェット風船、Burn!(楽天固有の得点時のアクション)を有料のギフト=投げ銭として画面上から送ることができる
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楽天は開幕時から投げ銭サービスを内製で運用しているんですね。これは「楽天グループ」の専売特許。webサービスであれば自社の経済圏の中で同様のサービスを展開できます
内製の良さは2つあると思っていて
①使用手数料がかからない
②徹底的にローカライズできる。まさに上記でもあげたギフトがそれですね
・「頼むぞ。」メッセージタオル
・ジェット風船
・Burn!(楽天固有の得点時のアクション)を有料のギフト
これが大きいですよね。
さらに7/24-26の3連戦は参加者に抽選でプレゼントキャンペーンを実施するなど利用者の拡大を図っています
キャンペーン詳細↓
webサービス会社だからこそできる施策だなと思いました
⑩⚽【2020/7/31】ベガルタ仙台がスポンサー付投げ銭付の選手によるウイイレ大会開催
プロアスリートによるeスポーツ企画にどれほど投げ銭が集まるのかという興味深い企画
キリンビールプレゼンツ~みちのくダービー~「eFootball ウイニングイレブン 2020」のお知らせ
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☑8月5日(水)にキリンビールプレゼンツ~みちのくダービー~「eFootball ウイニングイレブン 2020」を開催いたします。
☑ベガルタ仙台:道渕諒平選手、田中渉選手、照山颯人選手/モンテディオ山形:小松駿太選手、中村駿太選手、廣岡睦樹選手が出場し両チームで対戦を行う。お互いに自分の所属チームを使用する
☑配信は「Player!」にて=投げ銭も実施。キリンビールが協賛
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シーズン中に開催される仙台vs山形のeスポーツ対決
お互い所属選手が自分のチームを使用し、Player!にて投げ銭&リアルタイムチャット付きで配信。リアルの試合ではなくeスポーツでどれほど投げ銭があるのか楽しみ
また、キリンがスポンサーにつくということで、どのようなアクティベーションが実施されるのかも楽しみ
①eスポーツにおける投げ銭規模
②eスポーツにおけるスポンサーアクティベーション
の2つの観点から、とても興味深い企画です
⑪続きはこちらから!
以上7月のおすすめ記事10選でした!今月は面白い施策が多く、10個に絞るとすると正直どれを紹介するか迷いました。ぜひサークルに入って他の事例も覗いて行ってください(笑)
#スポビズSNSアンテナ では、上記のようなスポーツビジネス最新事例を1日1記事毎日必ず解説しております。
2月末から毎日更新し紹介する事例は160個を突破!少しずつですが有益なサークルになってきているかなという自負があります。
ちなみにこのサークルに入る利点として、毎日最新事例をチェックすることでスポーツビジネスにおける施策の流行り廃りを肌感覚で感じられるようになっていきます。
特に今年は新型コロナウイルスにより状況が目まぐるしく変わる中、施策も下記のように変化して行っております
4月:試合ができない中で「無料」でファンとのタッチポイントを生む施策
5月:無観客での「収入」を生み出す施策
6月:「リモートマッチ」に適応した新たな観戦スタイル
7月:「有観客試合」開始によるリアル施策の再開とwebとの融合
有益だなと思っていただいた方は、ぜひ下記サークルご登録いただけるととても嬉しいです。7月から学生プランも作りました。夢を追う学生の後押しを少しでもできればと思っております。↓
スポーツ業界で働く方/志す方にとって、自身の携わる種目以外の情報にもアンテナを張ることは必須だと思っておりますし、このサークルは必ずやそれに役立つものになるはずです。
そしてコロナにより、新たな収益源、価値、スポンサーアクティベーションを生み出していかなければいけない各スポーツクラブにとって他チーム事例はとても参考になると思っています。
下記2月~6月分の記事も公開しているのでどうぞ!