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年末に書いた短編の話

「年末」からすでに四ヶ月経っていることに驚きつつ、当記事は第三回星々短編小説コンテスト用に書いた小説についての自己反省です。
なお、該当の短編小説は10,000字部門で一次選考通過という結果であり、目標は果たしたことで一瞬舞い上がったものの、WEB公開などはまだしておりません。

いつもならさっさと投稿サイトにアップするのですが、なんというか思い入れの強い作品になってしまい、せっかくならブラッシュアップして他のコンテストに出そうかなあなどと考え中です。
それでも忘れないうちにチラ裏的な覚え書きだけ、しておこうぜという主旨になっています。

文芸寄りの意識

入賞作は紙媒体への掲載が前提というコンテストでした。WEB投稿では見易さや読み易さに意識の比重が傾くので、ここぞとばかりにみっちみちの地の文を書いたり、心情描写もたっぷりめに。

人称の選択

ミステリー風味のホラーを目指したので、読んだ人に「怖い」と思ってもらえるように、注力しました。すなわち重要だったのが、「誰の視点で語るのが効果的=怖い」のか? これはかなり迷ったので、メインの登場人物、合計四人分の視点で本文を書いてみてから決めました。

比喩表現と擬音・擬態の活用

読んだ人が五感を意識してもらえたら良いなと思い、ささやかな感覚を細やかに表現することをがんばったりしてみています。五感のデッサンをした気分です。

恐怖と笑いは紙一重

バットを振り切る勢いで残虐描写を入れたりしてます。読み返す時の自分のコンディションにも依るのですが、なんだか、「本当にこれは怖いのだろうか?」という思いに駆られていました。
スプラッター映画で爆笑すると公言している友人が一人おりまして、もしかしたら今回「怖い」つもりで書いたものが誰かの笑いに貢献するのではないかと、考えてしまうのです。前項の擬音・擬態にも通じる話かもしれません。大げさになるかならないかの線引きの客観視が難しいなと。
この辺りについては公開して、読まれた方の反応を確認するしかないかなと思っています。

なぜ、ホラーだったのか?

 この時に一番表現したかったのが「抗えない暴力」だった。ぐっと身近になってしまった戦争に対する、戸惑いや怒りを表現したかったように思う。
 絶対的恐怖の存在を書き切らないといけないという使命感に駆られていた。だから、人間を容赦なく襲う怪物を書かなければならず、ジャンル不問だったため、いちばん適していると思われた、ホラーというジャンルの皮を借りることにしました。

まとめ

「読み手にこう感じて欲しい。じゃあどういう表現が良いだろうか?」と考えたのは、初めてだったかもしれません。テーマを最初に「これにしよう」と強く決めてしまうのも大切なのだなと実感しました。私はプロッターorパンツァー以前に、実は「内なるものを表現する」という意志があまり無かったのかもしれません。それを自覚したことが、今回得られたものなんだろうと思います。
「こうしたい」と強く思えるテーマを決めるのも、結構大変なんですよね。ことコンテストとなれば締め切りに間に合わせないといけないので。最初のブレストに時間を割けるくらい、初稿で完成度高く書く力を鍛えないと難しいのかもしれない、とも思いました。(記録とか日記を振り返ると、初稿から推敲校正に丸一ヶ月かけてました。)
その後もWEBコンテストはテーマや課題でピンと来たものには挑戦するようにしていますが、今までと違い書き始めてから襲ってくる「しっくり感」の微妙な差異に戸惑っております。本当にこれで良いのか? と考えられるようになったのは、少しだけ進歩したということかもしれません。→つまりテーマ設定が足りないのかも?あの年末を思い出せ!…という具合に。
新しいことに挑戦したんだという自覚がきっと、私を成長させてくれると信じています。悩みながらもとりあえずはエンドマークまで書ききる日々です。

お話を考えるのは楽しい。
それだけは忘れないようにしていきたいです。

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