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戦場のコックたち 深緑野分著 読みました

深緑野分氏の
戦場のコックたち
を読了したんだけど

…これどういうこと???
え!?
えええええ

 という感じで、感想書きたいからメモ取りながら読んだのに、もうぜんぶ吹っ飛んでしまった…。
 ミステリーというカテゴリーで読み始めたし、読後もミステリーだよな、という感想は間違い無いけど、中身はごりごりの第二次大戦でしかも米国兵士の視点。そういうものは普段好んで読まないので、フィクションとはいえ、ギューッとくるものがあった。兵士のごった煮の感情と、些細な謎が絡まって濃厚。
 オチどうなるのさコレ?って気になるあまり読み進めたけど、とある場面のむごたらしさは、気分が悪くなった。小説読んでて吐き気したのはグリーンマイル以来かもしれない。第二次大戦のドイツについて書かれるという時点で、それは避けられないんだろうな。

 そういえば今は亡き祖父が深酒すると、ミャンマー(当時はビルマだったのかな)で従軍した時の話を陰鬱に話していた。幼かった私には恐ろしい内容だった感覚はあるけど(母が祖父を止めていた)詳細は覚えていない。大学生くらいの頃にでもちゃんとそういう話聞いておいた方がよかったのだろうか。

 とまあ、ラストにかけてどうしても戦時の衝撃が強くなるからどうしても思い馳せるけど、なんやかやで、
スパークが好き。
毒舌キャラ良き…!
(すぐキャラに惚れる)

 どうしてもラストが解せないから、他の方の感想をパパッと見てきたんだけども、この本の主題をミステリーと捉えるのか、戦争と捉えるのかですら分かれていて面白かった。
 そしてラストを気にしてる人少ない。自分としては主人公が戦時の後遺症で認識が低下してしまったのでは…など考えたけども。
 そう考えれば、作中で語られた「この世界は灰色だ」(乱暴な要約)につながるような気も致しまして。どこからが現実でどこからが幻なのかの、「曖昧な」グラデーション的な。

 最後に(?)、言及忘れていたが、海外の料理のレシピ眺めるのが好きなので(そういうのは作らずに外食で楽しむのに、味を想像するのが楽しい)、作中の料理のシーンとか、ティムの暗唱で、ニマニマしてしまった。
 美味しそうでした。

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