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「虹のような染色体」夏凪空著 読みました

 読み口はライトでも内容はディープで重くないか?
 性別を扱っているのが今っぽい題材だなあと。考えさせられるというよりは、フィクションとしての面白さに夢中になるうちに、性別とはかようにも多様であり得る「のかもしれない」、そんな気持ちにさせられる。「かもしれない」が心地よいんだ。わかろうと思ってわかるようなものでもない、繊細なハナシだと思うから。
 たまたまツイッターで流れてきた感想文から興味を持ったのがこちらの文庫でした。性別が変わってしまう病気を抱えた男子高校生、ってそれいったいどんなストーリー?? と度肝を抜かれました。主人公の一人称が当時を振り返るかたちでさらさらと語られており、読みやすい。
 登場人物たちが魅力的でね。紺埜(こんの)先輩! 惚れるだろそんなん……! 鶯谷先輩も粗野で良い。軽薄ですみませんけどやはりキャラクターがぐいぐい感じられると記憶に残るから。つまりは、よい感じの男の子がいっぱい出てきます(軽薄)。
 わりと重めの題材だと思うのに、展開にスピード感があったしめちゃくちゃ爽やかでさらさらと読みました。おもしろかった。

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