6/44 「脳にいいこと」だけをやりなさい!___頭のいい人は「頭の使い方」がうまい!

アメリカで有名なモティベーションスピーカーであるマーシー・シャイモフ氏を知ったのは、随分前のことである。どうしても彼女の本が読みたくなり、探してみたものの、翻訳されている本は多くはない。

彼女はモチネーションスピーカーだけあって、日常の生活をどのように見て、自分を注意深く観察し、自分が持つクセに気づけば、いくらでも世界を変えることができることを、多くの事例を使って誰にでもできる方法で私たちに伝える。彼女のファンは世界中にいる。

『「脳にいいこと」だけをやりなさい!___頭のいい人は「頭の使い方」がうまい!』マーシ・シャイモフ著 茂木 健一郎訳

頭のいい人は「頭の使い方」がうまい!と言っても、ここでは学校の成績を上げることではない。人生を思う通りに生きる知恵が書かれている。

脳に関する研究は、はるか昔からされているが、未だに未知な部分は多い。そして、いかに自分の人生を幸福感を高めて生きるかという研究も進んではいるが、このような本は後を絶たない。ということは、生きることに困難さを抱えている人が溢れかえっていることだと思う。この本を紹介する私もそのうちのひとり。

子どもの頃、大人になったら勉強しなくてすむ。大人になったら、自由に行きたいところに行ったり、買い物ができるようになり、今よりずっと楽しいはず。多くの人が想像したのではないか?はい。もちろん、私もそのひとりである。しかし、子どもの時に描いた自由さは、あるようでない。

大人は、ある本によると1日に35,000回考え意思決定しているそうだ。この本には、60,000回と書いてある。

「今日は〇〇さんに連絡しよう。」「今日は買い物に行く必要があるか?」など、小さな意思決定を含め、常に脳はフル回転である。寝ている時もだ。

そして、私たちは、たくさんの記憶やその時に得た感情をきちんと記憶し、それが現在の刺激に対する反応になっている。

そのため、過去に似た状況になると、無意識にこうなるはずと思い込み、疑うことなく思い込み通りに行動するから、同じことを繰り返し、「やっぱりそうなんだ。」と更に確固たるものにする。

だから人生がパターン化され、人生はこんなもんなんだと自分に言い聞かせる。

そして、子どもの時に描いた大人像よりも、より困難な生き方になってしまう。また、周囲に必ず困難な生き方をする大人のお手本が複数人いたはず。柔軟な脳は、それが自分の姿だと信じ込み、そのお手本に沿った生き方をしてしまう。

子どもの頃の脳は柔軟だと言われているが、大人の脳も実は十分に柔軟である。

この本は、大人になっても脳は柔軟であり、練習をすることによって十分に世界の見え方、生き方を思い通りに変える方法が書いている。

私がこの本を読んでから、私は今何を考えているか?どう感じているか?注意を払うようになった。もちろん、うまく行く時もいかない時もある。

注意を払うと面白いことに気づく。メールの文章を書いている時に、小学校の時に、友達に言われた意地悪な言葉を考えて、勝手に悲しい思いをしたり、テニスをしている最中に、過去のボーイフレンドに言われたひどいことを思い出し、次の瞬間にボールを外し、やっぱり私ダメなんだ。と思い込む。

残念なことに、日常の中で、全く現状と違うことを考えて、勝手に悲しんだり、自分をダメな人間にしている。

逆に困難な状況の時に、なぜだか昔うまく行ったことを思い出し、その状況を変えてしまったこともある。

実は自分がつくっている世界は、自分がつくった錯覚の連続なのではないか?と思う。錯覚の連続なら、良い錯覚を続ければ、自然と自分が描く理想な世界に生きることができる。

幸せな錯覚をし続けているお手本も近くにいるのではないか?そのような人は、時にノー天気な人に見られるけれども、幸せにその人の世界を生きている。以前、ある人に「私のこと、みんながカワイイいっていってたでしょ?」と聞かれ、「言ってないよ。」と思ったけど、それは彼女の世界にはない言葉なので、「言ってた。」と言ったら彼女の反応は「やっぱりねぇ。」だった。その後も彼女は彼女の世界で幸せに生きているし、そのような姿が、いくつになっても可愛らしさや魅力に繋がっているので、こういう生き方もいいな。と思ったことがある。

大切な事は、いかに過去に引っ張られ、過去に生きているか、ということに自ら気づくということ。過去に生きれば人にせいにできることもある、自分のうまくいかないことを正当化することもできる。また、一度は経験しているから予測することができ、それが危険察知に繋がることや、危険を避けるため、安全地帯の中にいることができるという利点もある。

しかし、過去は過去。今は今、私たちは一刻一刻と未来に向かっている。そして、今よりももっと良くなりたい、幸せになりたいと思うから、試行錯誤しながらも進む。それなら、過去でななく、「もっと幸せになりたい!」という自分の欲求に素直になり、なりたい将来の姿をもっとイメージすることが大切。

そんなことは、誰でも分かることだが、分かることとできていることは違う。

脳に良い食べ物、習慣、考え方、行動、世界でも有名なモチベーションスピーカーと日本の脳科学の最先端の二人が展開する世界は、心を踊らせる。まさにそれが一番脳にいいこと!


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